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言志四録 / 言志録 第二百二十一条 公欲は無かるべからず

私欲不可有。公欲不可無。無公欲則不能恕人。有私欲則不能仁物。

書き下し

私欲は有るべからず。公欲は無かるべからず。公欲無ければ則ち人を恕すること能はず。私欲有れば則ち物を仁すること能はず。

現代語訳

私欲はあってはならない。公の欲はなくてはならない。公の欲がなければ人を思いやることができない。私欲があれば物を慈しむことができない。

解説

欲そのものを否定するのではなく、私欲と公欲を分けた点に特色のある一条です。自分だけの利益を求める私欲はあってはならない。しかし世のため人のために何かを願う公欲は、なくてはならない。公欲がなければ、他人の望みに思いを致す「恕」も生まれないからです。そして私欲があれば、自分の利害が先に立ち、人や物をいつくしむ「仁」が妨げられる。前に一斎が、欲は断滅すべきものではなく、ほしいままにしなければよいと説いたことと重なります。無欲を理想とする見方とは一線を画した、実践的な欲の捉え方です。仕事への意欲や野心が、私欲なのか公欲なのかを見分けることの大切さを考えさせる言葉です。

この章句が説くこと

公欲私欲恕仁志

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