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言志四録 / 言志録 第二百二十条 衆人の幸と君子の幸

衆人以爲幸者。君子或以爲不幸。君子以爲幸者。衆人却以爲不幸。

新字:衆人以為幸者。君子或以為不幸。君子以為幸者。衆人却以為不幸。

書き下し

衆人以て幸と為す者を、君子或いは以て不幸と為す。君子以て幸と為す者を、衆人却って以て不幸と為す。

現代語訳

世間の人が幸いと思うことを、君子はかえって不幸と思うことがある。君子が幸いと思うことを、世間の人はかえって不幸と思う。

解説

何を幸いとし何を不幸とするかは、見る人の立っている所によってまるで逆になる、という一条です。世間の人が喜ぶ思いがけない利得や楽な境遇を、君子はかえって自分を甘やかし損なうものとして警戒する。反対に、君子が自分を鍛える機会として歓迎する困難や逆境を、世間は不運と見る。『孟子』告子下の「天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先づ其の心志を苦しむ」にも通じる見方です。前の条で説かれた吉凶の対待の議論とも響き合っています。いま自分が幸運と感じていることは本当に幸運なのか、不運と感じていることにどんな意味があり得るのかを、立ち止まって考えさせる言葉です。

この章句が説くこと

幸不幸価値観逆境君子

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