言志四録 / 言志録 第百八十四条 人を教ふるは志を責む
敎人者。要須責其志。聒聒騰口。無益也。
新字:教人者。要須責其志。聒聒騰口。無益也。
書き下し
人を教ふる者は、要は須らく其の志を責むべし。聒聒として口に騰するは、益無きなり。
現代語訳
人を教える者は、肝心なのは必ず相手の志を問い正すことである。やかましく口先でまくしたてても、何の益もない。
解説
教育の要は、言葉を多く費やすことではなく、学ぶ者の志を問うことにあると一斎は言います。「聒聒」はやかましく騒ぎ立てるさま。どれほど多くを語っても、本人に学ぶ志が立っていなければ、言葉は耳を素通りするだけです。『言志録』の冒頭近くで一斎は立志を繰り返し説いており、この条はその考えを教える側から言い直したものといえます。昌平坂学問所で多くの門人を育てた一斎の実感でもあったでしょう。部下や後輩に指示や助言を重ねる前に、その人が何を目指しているのかを一緒に確かめているかどうか、振り返ってみる手がかりになります。
この章句が説くこと
教育立志言葉の多寡人を育てる
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