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言志四録 / 言志録 第百八十二条 幾の至るを候つ

遇難處之事。不得妄動。須候幾至而應之。

新字:遇難処之事。不得妄動。須候幾至而応之。

書き下し

処し難きの事に遇はば、妄動するを得ず。須らく幾の至るを候ちて之に応ずべし。

現代語訳

処理しにくい事に出会ったときは、むやみに動いてはならない。事の兆しが訪れるのを待って、それに応じるべきである。

解説

難局での身の処し方を説いた短い一条です。「幾」とは易の繋辞下伝に「幾は動の微、吉の先づ見はるる者なり」とあるように、物事が動き出すかすかな兆し、機の熟す瞬間のことです。どう扱ってよいかわからない難事に対して、焦ってむやみに動くと、かえって事をこじらせる。落ち着いて状況を見守り、機の至るのを待って応じよ、と一斎は言います。ただしそれは何もしないことではなく、兆しを見逃さないよう注意を張りつめて待つことです。前の条の「勢に因りて利導す」にも通じます。問題が起きるとすぐ手を打ちたくなるとき、動くべき時機を見極める余裕を持てているかを考えさせます。

この章句が説くこと

時機幾忍耐判断処事

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