鬼谷子 / 本経陰符七術
故信心術、守真一而不化、待人意慮之交㑹、聴之候也。計謀者、存亡樞機、慮不㑹、則聴不審矣。候之不得、計謀失矣、則意無所信、虛而無實。
新字:故信心術、守真一而不化、待人意慮之交会、聴之候也。計謀者、存亡枢機、慮不会、則聴不審矣。候之不得、計謀失矣、則意無所信、虚而無実。
書き下し
故に心術を信じ、真一を守りて化せず、人の意慮の交㑹を待つ。聴くの候なり。計謀とは、存亡の樞機なり。慮㑹わざれば、則ち聴くこと審らかならず。候之を得ざれば、計謀失わる。則ち意信ずる所無く、虛しくして實無し。
現代語訳
だから心の術を信じ、真の一を守って移り変わらず、相手の意と思いが交わり出会うのを待つ。それが聴くべき時である。計謀とは、存亡のかなめである。思いが出会わなければ、聴いても詳らかにならない。その時をつかめなければ、計謀は失われる。そうなれば意は信じるところがなく、虚しくて実がない。
解説
「人の意慮の交㑹を待つ。聴くの候なり」——相手の思いとこちらの思いが交わる瞬間を待つ。それが聴くべき時だ、と。聴くことにも時があるという指摘です。いつ聴いても同じではない。交わっていない時に聴いても、詳らかにならない。会議や面談で、時間を決めて聴こうとしてもうまくいかないのは、この「候」を無視しているからかもしれません。そしてその時をつかめなければ計謀そのものが失われる、と。待てることが技術の一部だ、というのはこの書に一貫しています。
この章句が説くこと
意慮の交会を待つ聴くの候なり計謀は存亡の枢機時機傾聴判断待つ
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