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言志四録 / 言志録 第百七十九条 時世習俗を知りて政を施す

辨虛實强弱而後劑可投。知時世習俗而後政可施。

新字:弁虚実強弱而後剤可投。知時世習俗而後政可施。

書き下し

虚実強弱を弁じて、而る後に剤投ずべし。時世習俗を知りて、而る後に政施すべし。

現代語訳

病人の虚実や体力の強弱を見分けてから、はじめて薬を処方することができる。時代の状況や人々の習俗を知ってから、はじめて政治を行うことができる。

解説

政治を医療になぞらえた一条です。医者は患者の体の虚実、体力の強弱を見極めてから薬を処方します。同じ病でも体質が違えば処方も変わる。政治も同じで、その時代の状況や人々の習わしを知ったうえで施策を行わなければ、どれほど正しい政策でも効かないどころか害になる、ということです。医学にも関心の深かった一斎らしい比喩です。一律の正解を当てはめるのではなく、相手の状態を見てから手を打つという姿勢は、改革や施策を進めるときにそのまま通じます。組織に新しい制度を持ち込むとき、その職場の実情や慣習をどれだけ理解しているかを問い直すきっかけになる言葉です。

この章句が説くこと

為政時勢習俗診断改革

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