言志四録 / 言志録 第百七十六条 下に朋党有るは君道の衰へ
方以類聚。物以群分。人君以國爲黨者也。苟不能然。下各自相黨。是必然之理也。故下有朋黨。君道之衰也。亂之兆也。
新字:方以類聚。物以群分。人君以国為党者也。苟不能然。下各自相党。是必然之理也。故下有朋党。君道之衰也。乱之兆也。
書き下し
方は類を以て聚まり、物は群を以て分る。人君は国を以て党と為す者なり。苟も然る能はざれば、下各自ら相党す。是れ必然の理なり。故に下に朋党有るは、君道の衰へなり、乱の兆なり。
現代語訳
(易に言うように)似た方向の者は類をなして集まり、物は群れごとに分かれる。君主は国全体を自分の仲間とする者である。もしそうすることができなければ、下の者たちはそれぞれ勝手に徒党を組む。これは必然の道理である。だから下に朋党があるのは、君主の道が衰えている証拠であり、乱れの前兆である。
解説
易の繋辞上伝の「方は類を以て聚まり、物は群を以て分る」を引き、派閥の生じる原因を上に立つ者の側に求めた一条です。人が似た者同士で集まるのは自然の理であり、それを禁じることはできない。だからこそ君主は国全体を一つの「党」として包み込まねばならず、それができないと下の者が勝手に派閥を作る、と一斎は言います。朋党の発生は下の者の不心得ではなく、君主の道の衰えの表れであり、乱の兆しだというのです。宋の欧陽脩の「朋党論」以来の議論を踏まえつつ、責任の所在をはっきり上に置いています。組織に派閥や分断が生まれたとき、まずリーダーが全体を包み込めているかを問う視点を与えてくれます。
この章句が説くこと
朋党派閥君道為政統合
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