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言志四録 / 言志録 第百二十九条 需は雨天なり

需。雨天也。待則霽。不待則沾濡。需古文作𩂉丙子正月錄

新字:需。雨天也。待則霽。不待則沾濡。需古文作𩂉丙子正月録

書き下し

需は、雨天なり。待てば則ち霽る。待たざれば則ち沾濡す。需は古文に𩂉に作る。(丙子正月録す)

現代語訳

『易』の需の卦は、雨の降る天気である。待っていれば晴れる。待たなければ、雨に濡れてしまう。「需」の字は、古い字体では「𩂉」(雨と天とを組み合わせた字)と書く。(文化十三年〈一八一六〉正月に記す)

解説

『易』の需卦を、字の成り立ちから解いた一条です。需卦は水を表す坎が天を表す乾の上にあり、雲が天に上って雨を待つ象とされ、卦の意味は「待つ」です。一斎は、需の古い字形が「雨」と「天」から成ることに注目し、需とは雨天のことであり、待てば晴れ、待たずに出かければ濡れる、と平易に説きます。焦って動けば失敗し、時が熟するのを待てば道が開けるという教えを、雨空という誰にもわかる光景に託したのです。末尾の年記から、文化十三年、一斎四十五歳の正月の作とわかります。すぐ後に「急迫は事を敗り、寧耐は事を成す」という条が続くのも示唆的で、動くべき時と待つべき時の見極めを考えさせます。

この章句が説くこと

待つ易時機忍耐需

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