言志四録 / 南洲手抄
急迫敗事。寧耐成事。
書き下し
急迫は事を敗る。寧耐は事を成す。
現代語訳
急ぎ焦れば事を台無しにする。落ち着いて耐えれば事を成し遂げる。
解説
わずか八字ながら、事を成す者の呼吸を言い当てた言葉です。「急迫」は結果を急ぐあまりの前のめり、「寧耐」は動じずに時を待つ胆力を指します。焦りは判断を狂わせ、詰めを誤らせますが、耐えて機を見る者は最後に成就する。西郷隆盛がこの一条を抄録に選んだのも、幕末の激動を耐え抜いた自らの実感ゆえでしょう。スピードや即断が称賛されがちな現代だからこそ、あえて「待てる力」「耐える力」の価値を思い出させてくれる一条です。
この章句が説くこと
忍耐急がば回れ胆力成事
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