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言志四録 / 言志録 第百一条 三監を征するも人倫を重んず

或疑成王周公征三監。非重社稷輕人倫乎。余謂不然。三叔助武庚以叛。是則叛於文武矣。爲成王周公者。不爲文武討其罪。而故縱之以黨其惡乎。即仍是重人倫矣。

新字:或疑成王周公征三監。非重社稷軽人倫乎。余謂不然。三叔助武庚以叛。是則叛於文武矣。為成王周公者。不為文武討其罪。而故縦之以党其悪乎。即仍是重人倫矣。

書き下し

或ひと疑ふ、成王・周公の三監を征せしは、社稷を重んじて人倫を軽んずるに非ずやと。余謂ふ、然らず。三叔武庚を助けて以て叛く。是れ則ち文武に叛けるなり。成王・周公たる者、文武の為に其の罪を討たずして、故らに之を縦して以て其の悪に党せんや。即ち仍ほ是れ人倫を重んずるなり。

現代語訳

ある人が疑問を呈した。成王(周の二代目の王)と周公(成王の叔父で摂政)が三監(管叔・蔡叔・霍叔)を征伐したのは、国家を重んじて人倫を軽んじたことにならないか、と。私はそうではないと考える。三人の叔父たちは武庚(殷の紂王の子)を助けて反乱を起こした。これはすなわち文王・武王に背いたことである。成王・周公の立場にある者が、文王・武王のためにその罪を討たずに、わざと見逃してその悪に加担するなどということがあろうか。つまりこの征伐も、やはり人倫を重んじたものなのである。

解説

前条の「人倫は社稷より重し」に対して予想される反論に答えた一条です。周の武王の死後、幼い成王を周公が補佐すると、武王の弟である管叔・蔡叔らは殷の遺民を率いる武庚と結んで反乱を起こし、周公はこれを討ちました。身内を討つのは人倫に背くのではないか、という疑問に対し、一斎は、叔父たちの反乱は父祖である文王・武王への背反であり、それを討つことこそ父祖への孝、すなわち人倫を守ることだと答えます。人倫を情や身内びいきと混同しない、筋の通った議論です。身内や近しい人の過ちにどう向き合うかという、組織の長が避けて通れない問いを考えさせます。

この章句が説くこと

人倫周公孝公私筋を通す

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