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言志四録 / 言志録 第九十条 既往は将来の鑑

已死之物。爲方生之用。既過之事。爲將來之鑒。

新字:已死之物。為方生之用。既過之事。為将来之鑒。

書き下し

已に死せるの物は、方に生ずるの用と為る。既に過ぎたるの事は、将来の鑑と為る。

現代語訳

すでに死んだものは、いま生まれようとするものの役に立つ。すでに過ぎ去った事柄は、これからの手本となる。

解説

自然と人事を対にした短い一条です。枯れた草木が土に還って次の芽を育てるように、死んだものは新たに生じるものの糧となります。同じように、過ぎ去った出来事は、将来を映す鏡になります。「鑑」は鏡であり、手本や戒めの意味でもあります。過去を悔やんだり懐かしんだりして終わらせず、そこから次の糧を汲み取れということでしょう。一斎自身、四十代から八十歳過ぎまで書き継いだ四録の中で、経験を言葉に変えて後に残し続けました。失敗した案件や撤退した事業も、振り返って学びに変えれば次の仕事の養分になる、と考えるきっかけになる言葉です。

この章句が説くこと

鑑経験過去に学ぶ循環振り返り

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