言志四録 / 言志録 第七十八条 一挙手一投足皆礼なり
一氣息一笑語。皆樂也。一擧手一投足。皆禮也。
新字:一気息一笑語。皆楽也。一挙手一投足。皆礼也。
書き下し
一気息、一笑語も、皆楽なり。一挙手、一投足も、皆礼なり。
現代語訳
一つの息づかい、一つの笑いや語らいも、みな楽(音楽)である。手を一つ挙げ、足を一歩踏み出すのも、みな礼である。
解説
前条で、形ある古楽は滅びても、元声太和は天地人心に常にあると述べたことを受けた一条と読めます。楽は楽器を奏でることだけではなく、日々の息づかいや笑い、語らいのうちにもある。礼もまた儀式の作法だけではなく、手を挙げ足を運ぶ一つひとつの所作のうちにある。礼楽を特別な場から日常の一瞬一瞬へと引き寄せる、一斎の考え方がよく表れています。「一挙手一投足」は今も使われる言葉ですが、ここでは細かなふるまいのすべてが、その人の内面の調和と慎みを表すものだという意味で使われています。会議での話し方や、人を迎える態度、ちょっとした言葉づかいが、組織の空気をつくっていることを思い起こさせる一条です。
この章句が説くこと
礼楽所作日常身の処し方調和
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