言志四録 / 言志録 第六十二条 渠をして長ずる所を説かしむ
凡與人語。須敎渠說其所長。於我有益。
新字:凡与人語。須教渠説其所長。於我有益。
書き下し
凡そ人と語るには、須らく渠をして其の長ずる所を説かしむべし。我に於て益有り。
現代語訳
およそ人と話をするときは、相手にその得意とすることを語らせるのがよい。そうすれば自分にとって益がある。
解説
前条の「一芸の士は皆語るべし」を受けて、その具体的なやり方を示した一条です。人と話すときは、自分の話をするより、相手の得意な分野について語ってもらうのがよい。そうすれば相手は気持ちよく話し、自分はその人が長年かけて身につけた知識や経験を分けてもらえる、というのです。「渠」は彼の意の俗語的な言い方です。ここには、会話を自分を見せる場ではなく学ぶ場と考える姿勢があります。相手の長所を引き出すことは、相手を尊重することにもなります。部下との面談や取引先との雑談、初対面の人との会話でも、相手に何を語ってもらえば双方にとって実りがあるかを考えてみると、聞き方が変わってくるかもしれません。
この章句が説くこと
傾聴対話人に学ぶ長所謙虚
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