言志四録 / 言志後録 第二百十四条 婦人孺子の語も天籟
平心聽之。婦人孺子之語亦天籟。
新字:平心聴之。婦人孺子之語亦天籟。
書き下し
平心にして之を聴けば、婦人孺子の語も亦天籟なり。
現代語訳
心を平らかにして聴けば、女性や子どもの言葉もまた、天の響きである。
解説
前条の武人俗吏に続いて、女性や子どもの言葉にも耳を傾けよと説く条です。天籟は『荘子』斉物論篇に出る語で、人が作った音でも地の風の音でもない、自然そのものが奏でる天の響きを指します。当時の社会では、女性や子どもの言葉は取るに足らないものとされがちでした。しかし先入観を捨て、心を平らにして聴けば、飾りのない素直な言葉の中にかえって真実が響いていることがある、と一斎は言います。要になるのは「平心」、つまり相手の立場や肩書きで言葉の価値を決めない聴き方です。若手や立場の弱い人の声を、組織がどれだけ受け止めているかを考えさせる条です。
この章句が説くこと
傾聴平心先入観謙虚
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