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言志四録 / 言志録 第五十五条 酒の用は二つ

酒之用有二。鬼神有氣無形。故以氣之精者聚之。老人氣衰。故亦以氣之精者養之。若少壯氣盛之人。秖足以致病已。

新字:酒之用有二。鬼神有気無形。故以気之精者聚之。老人気衰。故亦以気之精者養之。若少壮気盛之人。秖足以致病已。

書き下し

酒の用は二つ有り。鬼神は気有りて形無し。故に気の精なる者を以て之を聚む。老人は気衰ふ。故に亦気の精なる者を以て之を養ふ。少壮気盛んなるの人の若きは、秖だ以て病を致すに足るのみ。

現代語訳

酒の用い道は二つある。鬼神(祖先の霊や神々)は気はあっても形がない。だから気の精髄である酒によって、その気を集めて祭るのである。老人は気が衰えている。だからこれも気の精髄である酒によって養うのである。若く血気盛んな人の場合は、ただ病を招くのに十分なだけである。

解説

前条で酒を「穀気の精」と呼んだのを受けて、その正しい使い道を二つに限った一条です。一つは祭祀です。祖先の霊や神々は形がなく気だけの存在なので、気の精である酒を供えて、その気を集め迎えるのだと説明します。もう一つは老人の養生で、衰えた気を気の精で補うのです。これに対して、若く気の盛んな者が飲めば、余っている気にさらに気を注ぐことになり、病のもとにしかならないと言います。前々条で老父が人の気によって元気づく様子を記したことともつながる、気の多い少ないで物事を考える一斎らしい理屈です。若いうちの勢い任せの飲酒を戒めるとともに、何のために飲むのかを一度考えてみる材料になるでしょう。

この章句が説くこと

酒祭祀養生気老い

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