言志四録 / 言志録 第二十七条 大志ある者は小物を勤む
眞有大志者。克勤小物。眞有遠慮者。不忽細事。
新字:真有大志者。克勤小物。真有遠慮者。不忽細事。
書き下し
真に大志有る者は、克く小物を勤め、真に遠慮有る者は、細事を忽にせず。
現代語訳
本当に大きな志を持つ者は、小さな事柄によく励む。本当に遠い先まで考える者は、細かな事をおろそかにしない。
解説
大と小、遠と近の関係を説いた条です。大きな志を掲げる人ほど、目の前の小さな仕事をおろそかにしがちですが、一斎は逆だと言います。本当に大志のある者は小事にこそ励み、本当に遠い先を見通す者は細部を軽んじない。「真に」の一語に、口先だけの大志や遠慮への批判が込められています。大きな事業も小さな事の積み重ねでしか成らず、遠い将来も今日の細部の延長にしかないからです。前条の「慮るは周詳」にも通じます。大きな構想を語ることと、日々の細かな実務を丁寧にこなすことが、自分の中で一つにつながっているかを見直す手がかりになる言葉です。
この章句が説くこと
大志小事遠慮細部積み重ね
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