言志四録 / 言志録 第二十六条 慮るは周詳、処するは易簡
慮事欲周詳。處事欲易簡。
新字:慮事欲周詳。処事欲易簡。
書き下し
事を慮るは周詳ならんことを欲し、事を処するは易簡ならんことを欲す。
現代語訳
物事を考えるときは、行き届いて詳細でありたい。物事を処理するときは、平易で簡潔でありたい。
解説
考えることと行うことの違いを、対句で端的に示した条です。事を計画し思案する段階では、あらゆる場合を想定して周到かつ詳細に考え抜く。しかし実際に処理する段階では、平易で簡潔に行う。「易簡」は『易経』繋辞伝の「易簡にして天下の理得」に由来する語で、天地のはたらきの単純さを表します。考えが粗いまま動けば失敗しますが、考えた複雑さをそのまま実行に持ち込めば、現場は混乱します。緻密な検討を経たうえで、実行は誰にでもわかる簡潔な形に落とし込めているか。計画と実行の両方に責任を持つ人にとって、見直しの物差しになる言葉です。
この章句が説くこと
熟慮簡潔計画と実行易簡仕事術
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