言志四録 / 言志録 第二十三条 心下に数鍼を下す
吾方將處事。必先於心下自下數鍼。然後從事。
新字:吾方将処事。必先於心下自下数鍼。然後従事。
書き下し
吾方に将に事を処せんとするときは、必ず先づ心下に於て自ら数鍼を下し、然る後に事に従ふ。
現代語訳
私はこれから事に当たろうとするときには、必ずまず自分の胸のうちに数本の鍼を打つように戒めを加え、そのうえで取りかかる。
解説
一斎が自らの習慣を語った条です。事に取りかかる前に、必ず胸のうちに何本かの鍼を打つという。鍼は鍼灸の鍼で、身体のつぼに打って滞りを通すように、心に戒めを加えて気を引き締めることのたとえです。前の二条で、心のつかえや雑念が判断を誤らせると述べたことを受け、それを事前に正す具体的な工夫を示しています。慢心していないか、私情が混じっていないか、急ぎすぎていないか。そうした点検を一瞬でも行ってから動くことで、仕事の質が変わります。会議や面談の前に、ひと呼吸おいて自分の心構えを確かめる習慣の意味を考えさせる一条です。
この章句が説くこと
自戒心構え準備修養慎重
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