言志四録 / 言志録 第二十二条 志気を剣の如くす
閑思雜慮。紛紛擾擾。由外物溷之也。常使志氣如劒。驅除一切外誘。不敢襲近肚裏。自覺淨潔快豁。
新字:閑思雑慮。紛紛擾擾。由外物溷之也。常使志気如劒。駆除一切外誘。不敢襲近肚裏。自覚浄潔快豁。
書き下し
閑思雑慮の紛紛擾擾たるは、外物之を溷すに由るなり。常に志気をして剣の如くならしめ、一切の外誘を駆除して、敢て肚裏に襲近せしめざれば、自ら浄潔快豁なるを覚ゆ。
現代語訳
とりとめのない思いや雑念が入り乱れて騒がしいのは、外の物事が心をかき乱すからである。常に志気を剣のように鋭くしておき、外からのあらゆる誘惑を追い払って、腹の中に決して近づけないようにすれば、おのずと心が清らかで、晴れ晴れと広がるのを感じる。
解説
雑念の原因と、それを払う方法を述べた条です。とりとめのない思いが次々と湧いて心が乱れるのは、外の物事が心を濁らせるからだと一斎は見ます。対処法は、志気、すなわち志に裏打ちされた気力を剣のように研ぎ澄まし、外からの誘いを腹の内に寄せつけないことです。前条の「心下痞塞」の処方ともいえます。雑念を一つずつ打ち消そうとするのではなく、志をはっきりさせることで、雑念の入り込む隙をなくすという発想に特徴があります。通知や雑務に気を散らされがちな毎日の中で、何に集中するかを先に定めることの効き目を考えさせる一条です。
この章句が説くこと
志気雑念外誘集中心の清明
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