酔古堂剣掃 / 集法・暗室屋漏の處より培ひ來る
忙處事為,常向閑中先檢點;動時念想,預從靜裏密操持。青天白日處節義,自暗室屋漏處培來;旋轉乾坤的經綸,自臨深履薄處操出。
新字:忙処事為,常向閑中先検点;動時念想,預従静裏密操持。青天白日処節義,自暗室屋漏処培来;旋転乾坤的経綸,自臨深履薄処操出。
書き下し
忙しき處の事為は、常に閑中に向かひて先づ檢點し、動く時の念想は、預め靜裏より密かに操持す。青天白日の處の節義は、暗室屋漏の處より培ひ來り、乾坤を旋轉するの經綸は、深きに臨み薄きを履む處より操り出だす。
現代語訳
忙しいときの仕事は、いつも暇なうちに前もって点検しておきます。動いているときの考えは、静かなうちから前もってひそかに保ち整えておきます。白日のもとに現れる節義は、人目のない暗い部屋の片隅で培われてきたものです。天地をひっくり返すような大きな経綸は、深い淵に臨み薄氷を踏むような慎重さの中から生み出されるものです。
解説
表に現れる働きは、人目につかない準備と慎みから生まれると説いた一則で、菜根譚にもほぼ同じ句があります。前半は、忙しいときの判断は閑なときの点検で決まり、動くときの心構えは静かなときに整えておけと言います。後半の暗室屋漏は、部屋の暗い隅、人に見られない所のことで、独りのときの慎みを表します。臨深履薄は『詩経』の言葉で、深い淵に臨み薄い氷を踏むような用心深さです。本番で力を出せる人は、誰も見ていないときに備えている人です。日々の地道な準備を大切にしたいものです。
この章句が説くこと
修身準備慎独節義慎重
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