言志四録 / 言志録 第二十一条 心下痞塞すれば百慮皆錯る
心下痞塞。百慮皆錯。
書き下し
心下痞塞すれば、百慮皆錯る。
現代語訳
胸のあたりがつかえてふさがっていると、あらゆる考えがみな誤る。
解説
心下とは胸の下、みぞおちのあたりを指し、痞塞はそこがつかえてふさがることです。心にわだかまりや鬱屈があると、どれほど思案を重ねてもすべて的外れになる、と一斎は言います。前々条で「胸は虚ならんことを欲す」と述べたことの裏側を示した言葉です。医学の用語を借りて心の状態を語っている点に、心身を一体と見る一斎の視点がうかがえます。考えが堂々巡りするときは、問題そのものより、それを考えている自分の心がふさがっていることが原因かもしれません。難しい判断の前に、まず自分の心のつかえを取り除いておくことの大切さを思わせる一条です。
この章句が説くこと
心の状態判断虚心わだかまり心身一体
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