言志四録 / 言志録 第十九条 面は冷、背は煖
面欲冷。背欲煖。胸欲虛。腹欲實。
新字:面欲冷。背欲煖。胸欲虚。腹欲実。
書き下し
面は冷ならんことを欲し、背は煖ならんことを欲し、胸は虚ならんことを欲し、腹は実ならんことを欲す。
現代語訳
顔は冷静でありたい。背は温かくありたい。胸はわだかまりがなく空っぽでありたい。腹はどっしりと充実していたい。
解説
心身のあり方を、顔・背・胸・腹の四か所で言い表した印象的な条です。顔は冷静に保って感情に振り回されず、背には温かみを宿して人を包み込む。胸は先入観やわだかまりを持たずに空けておき、腹には胆力を満たしてどっしり構える。体の部位に託して、人としての理想の姿勢を描いています。次の条で精神を背に棲ませよと説くのと一続きで、一斎の修養論が身体感覚と結びついていることがわかります。人の上に立つ人にとって、冷静さと温かさ、柔軟さと胆力という一見相反する資質を、どう一身に備えるかを考える材料になります。
この章句が説くこと
心身冷静胆力虚心リーダーの器
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