易経 / 損卦
已事遄往,尚合志也。 九二利貞,中以為志也。 一人行,三則疑也。 損其疾,亦可喜也。 六五元吉,自上佑也。 弗損益之,大得志也。
書き下し
事を已めて遄やかに往くとは、上(かみ)と志を合するなり。九二の貞に利ありとは、中以て志と為すなり。一人行くとは、三なれば則ち疑はるるなり。其の疾を損すとは、亦喜ぶべきなり。六五の元吉は、上より佑(たす)くればなり。損せずして之を益すとは、大いに志を得るなり。
現代語訳
自分の事をやめて速やかに助けに行くとは、上の者と志を合わせるのである。九二が正しさを守るのがよいとは、中の道を自分の志とするのである。一人で行くとよいとは、三人だと互いに疑い合うからである。その病を減らすとは、これもまた喜ばしいことである。六五が大いに吉なのは、天が上から助けるからである。自分を減らさずに相手を益するとは、大いに志を遂げるのである。
解説
損の爻辞に象伝が添えた理由づけです。六三の一人で行けば友を得るについては「三なれば則ち疑はるる」、三人では互いに疑い合うからだと説きます。上九の「損せずして之を益す」は「大いに志を得るなり」、自分を減らさずに人を益することが志を大きく遂げる道だとします。初九の「事を已めて遄やかに往く」も「上と志を合する」ためと言い、減らすか益すかの判断の軸はいつも志にあると示します。人や役割を組むときは、数の多さより互いに疑わない関係を選び、誰も損をしない益し方を考えることが大切です。
この章句が説くこと
信頼疑い少数精鋭協力
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