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易経 / 訟卦

不永所事,訟不可長也。雖小有言,其辯明也。 不克訟,歸逋竄也。自下訟上,患至掇也。 食舊德,從上吉也。 復即命渝,安貞,不失也。 訟,元吉,以中正也。 以訟受服,亦不足敬也。

新字:不永所事,訟不可長也。雖小有言,其弁明也。 不克訟,帰逋竄也。自下訟上,患至掇也。 食旧徳,従上吉也。 復即命渝,安貞,不失也。 訟,元吉,以中正也。 以訟受服,亦不足敬也。

書き下し

事とする所を永くせずとは、訟は長くすべからざるなり。小しく言有りと雖も、其の弁明らかなり。訟に克たず、帰りて逋れ竄るるなり。下より上を訟う、患いの至ること掇うがごときなり。旧徳に食むとは、上に従えば吉なるなり。復りて命に即き渝わる、貞に安んずとは、失わざるなり。訟う、元いに吉とは、中正なるを以てなり。訟を以て服を受くるは、亦敬するに足らざるなり。

現代語訳

「争いの事を長引かせない」とは、訴えは長引かせるべきではないということである。少しとやかく言われても、その言い分ははっきりしている。「訴えに勝てず、帰って逃げ隠れる」とは、下の者が上の者を訴えれば、災いが拾うようにたやすく降りかかってくるからである。「先祖の禄で暮らす」とは、上に従えば吉だということである。「引き返して天命に従い、心を改め、落ち着いて正しさを守る」とは、正しい道を失わないことである。「訴えを裁いて大いに吉」とは、中正の位にいるからである。争って褒美の衣服を受けても、それは敬うに値しない。

解説

訟の爻辞に付けられた象伝です。争いを長引かせないのは「訟は長くすべからざるなり」だからで、下の者が上を訴えれば、災いは拾うようにたやすく降りかかると説きます。結びの「訟を以て服を受くるは、亦敬するに足らざるなり」は、争って勝ち取った褒美は、人から敬われるものではないという指摘です。議論や交渉で相手を言い負かしても、得たものが信頼を削っていては意味がありません。勝ち方までが見られていることを、心に留めておきたいものです。

この章句が説くこと

争い引き際信頼勝ち方

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