易経 / 訟卦
不永所事,訟不可長也。雖小有言,其辯明也。 不克訟,歸逋竄也。自下訟上,患至掇也。 食舊德,從上吉也。 復即命渝,安貞,不失也。 訟,元吉,以中正也。 以訟受服,亦不足敬也。周易 第七卦 坎下坤上 易經:師:貞丈人吉,无咎。 初六:師出以律,否臧,凶。 九二:在師中吉,无咎;王三錫命。 六三:師或輿尸,凶。 六四:師左次,无咎。 六五:田有禽,利執言,无咎。長子帥師,弟子輿尸,貞凶。 上六:大君有命,開國承家,小人勿用。 彖曰:
新字:不永所事,訟不可長也。雖小有言,其弁明也。 不克訟,帰逋竄也。自下訟上,患至掇也。 食旧徳,従上吉也。 復即命渝,安貞,不失也。 訟,元吉,以中正也。 以訟受服,亦不足敬也。周易 第七卦 坎下坤上 易経:師:貞丈人吉,无咎。 初六:師出以律,否臧,凶。 九二:在師中吉,无咎;王三錫命。 六三:師或輿尸,凶。 六四:師左次,无咎。 六五:田有禽,利執言,无咎。長子帥師,弟子輿尸,貞凶。 上六:大君有命,開国承家,小人勿用。 彖曰:
書き下し
事とする所を永くせずとは、訟は長くすべからざるなり。小しく言有りと雖も、其の弁明らかなり。訟に克たず、帰りて逋れ竄るるなり。下より上を訟う、患いの至ること掇うがごときなり。旧徳に食むとは、上に従えば吉なるなり。復りて命に即き渝わる、貞に安んずとは、失わざるなり。訟う、元いに吉とは、中正なるを以てなり。訟を以て服を受くるは、亦敬するに足らざるなり。周易 第七卦。坎下坤上。易経。師は、貞なり、丈人なれば吉にして咎无し。初六、師出づるに律を以てす。否らざれば臧くとも凶。九二、師に在りて中す、吉にして咎无し。王三たび命を錫う。六三、師或いは尸を輿す、凶。六四、師左き次る、咎无し。六五、田に禽有り、言を執るに利ろし、咎无し。長子師を帥い、弟子尸を輿す、貞なれども凶。上六、大君命有り、国を開き家を承けしむ、小人は用うる勿かれ。彖に曰く、
現代語訳
「争いの事を長引かせない」とは、訴えは長引かせるべきではないということである。少しとやかく言われても、その言い分ははっきりしている。「訴えに勝てず、帰って逃げ隠れる」とは、下の者が上の者を訴えれば、災いが拾うようにたやすく降りかかってくるからである。「先祖の禄で暮らす」とは、上に従えば吉だということである。「引き返して天命に従い、心を改め、落ち着いて正しさを守る」とは、正しい道を失わないことである。「訴えを裁いて大いに吉」とは、中正の位にいるからである。争って褒美の衣服を受けても、それは敬うに値しない。『周易』第七の卦。下が坎(水)、上が坤(地)の卦である。易経にいう。師(いくさ、軍隊)は、正しさを守り、経験を積んだ長老が率いれば吉で、とがめはない。初六、軍隊が出るには規律によらねばならない。規律がなければ、たとえうまくいっても凶である。九二、軍の中にあって中庸を得ている。吉でとがめはない。王が三度も褒賞の命を下す。六三、軍がことによると屍を車に載せて帰る。凶である。六四、軍が退いて陣を張る。とがめはない。六五、田に獣が出て荒らしているので、これを討つ名分を掲げるのがよい。とがめはない。長男が軍を率いるべきで、弟たちが率いれば屍を車に載せて帰ることになる。正しくても凶である。上六、大君が命を下して、功ある者に国を開かせ家を継がせる。小人は用いてはならない。彖伝にいう。
解説
関連する章句
-
易経・需卦郊に需つとは、難を犯して行かざるなり。恒を用うるに利ろし、咎无しとは、未だ常を失わざるなり。沙に需つとは、衍かにして中に在るなり。小しく言有りと雖も、以て吉に終わるなり。泥に需つとは、災い外に在るなり。我より寇を致す、敬慎すれば敗れざるなり。血に需つとは、順にして以て聴くなり。酒食に貞にして吉とは、中正なるを以てなり。速かざるの客来たる、之を敬すれば終には吉。位に当たらずと雖も、未だ大いに失わざるなり。周易 第六卦。坎下乾上。易経。訟は、孚有りて窒がる、惕れて中すれば吉、終うれば凶。大人を見るに利ろし、大川を渉るに利ろしからず。初六、事とする所を永くせず。小しく言有れども、終には吉。九二、訟に克たず、帰りて逋る。其の邑人三百戸、眚无し。六三、旧徳に食む。貞なれども厲し、終には吉。或いは王事に従うも、成すこと无し。九四、訟に克たず、復りて命に即き渝わる。貞に安んずれば吉。九五、訟う、元いに吉。上九、或いは之に鞶帯を錫うも、終朝に三たび之を褫わる。彖に曰く、
-
易経・師卦師出づるに律を以てす、律を失えば凶なり。師に在りて中す、吉とは、天の寵を承くるなり。王三たび命を錫うとは、万邦を懐くるなり。師或いは尸を輿すとは、大いに功无きなり。左き次る、咎无しとは、未だ常を失わざるなり。長子師を帥うるは、中行を以てなり。弟子尸を輿すとは、使うこと当たらざるなり。大君命有りとは、以て功を正すなり。小人用うる勿かれとは、必ず邦を乱せばなり。周易 第八卦。坤下坎上。易経。比は、吉なり。原ねて筮し、元いに永く貞なれば、咎无し。寧からざるもの方に来たる、後るる夫は凶。初六、孚有りて之に比す、咎无し。孚有りて缶に盈つれば、終に来たりて它の吉有り。六二、之に比すること内よりす、貞にして吉。六三、之に比するに人に匪ず。六四、外之に比す、貞にして吉。九五、比を顕らかにす。王三駆を用いて前禽を失う、邑人誡めず、吉。上六、之に比するに首无し、凶。彖に曰く、
-
易経・彖伝訟は、上剛にして下険、険にして健なる、訟なり。「訟は孚有るも窒がりて惕る、中なれば吉」とは、剛来りて中を得ればなり。「終には凶」とは、訟は成すべからざればなり。「大人を見るに利ろし」とは、中正を尚べばなり。「大川を渉るに利ろしからず」とは、淵に入ればなり。
-
易経・序卦需(じゅ)とは、飲食の道なり。飲食には必ず訟(しょう)有り、故に之を受くるに訟を以てす。訟には必ず衆の起こること有り、故に之を受くるに師を以てす。師とは、衆なり。衆には必ず比(した)しむ所有り、故に之を受くるに比を以てす。比とは、比しむなり。比しめば必ず畜(たくわ)うる所有り、故に之を受くるに小畜を以てす。
-
牧民忠告・聽訟人は独り處(お)ること能(あた)わず、必ず衆に資(と)りて以て其の生を遂ぐ。衆以て相資(あいと)る、此れ訟(しょう)の従(よ)りて起こる所なり。故に聖人《易》を作るに、「訟」を以て「師」に継(つ)ぐ、其の警(いまし)めを示すこと固(まこと)に深し。夫れ善く訟を聴く者は、必ず先ず其の情を察す。其の情を察せんと欲すれば、必ず先ず其の辞を審(つまび)らかにす。其の情直(なお)ければ、其の辞直(なお)し。其の情曲(まが)れば、其の辞曲る。政(たと)い其の辞を強(し)いて直(なお)くせしむとも、其の情は則ち必ず自ら相(あい)矛盾し、従(したが)ってこれを詰(なじ)れば、誠偽(せいぎ)見(あら)わる。《周礼》五声を以て獄訟(ごくしょう)を聴くも、民情を求むること固(もと)より此れに外(ほか)ならず。然れども聖人謂う、「訟を聴くは、吾(われ)猶(な)お人のごときなり。必ずや訟無からしめんか」と。蓋し訟を聴く者は已然(いぜん)に折衷す、苟(いやしく)も其の心を公にすれば、人皆能くす可きなり。訟無き者は過ちを未然に救う、徳を以て民を化するに非ざれば、何に由りて此れに及ばんや。嗚呼(ああ)、凡そ民を牧する者、其れ能く訟を聴くを恃(たの)みて徳と為す勿(な)かれ。
-
易経・象伝天と水と違いて行くは訟なり、君子は以て事を作すに始めを謀る。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る