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易経 / 未濟卦

濡其尾,亦不知極也。 九二貞吉,中以行正也。 未濟征凶,位不當也。 貞吉悔亡,志行也。 君子之光,其暉吉也。 飲酒濡首,亦不知節也。

新字:濡其尾,亦不知極也。 九二貞吉,中以行正也。 未済征凶,位不当也。 貞吉悔亡,志行也。 君子之光,其暉吉也。 飲酒濡首,亦不知節也。

書き下し

其の尾を濡らすとは、亦極(きはみ)を知らざるなり。九二の貞吉は、中以て正を行ふなり。未だ済らず征けば凶とは、位当らざればなり。貞にして吉悔亡ぶとは、志行はるるなり。君子の光とは、其の暉(ひかり)吉なるなり。酒を飲みて首を濡らすとは、亦節を知らざるなり。

現代語訳

尾を濡らしてしまうとは、やはり自分の力の限界を知らないのである。九二が正しくて吉なのは、中の道によって正しさを行うからである。まだ渡り終えずに進めば凶とは、位がふさわしくないからである。正しくしていれば吉で後悔が消えるとは、志が行われるのである。君子の徳の輝きとは、その光がめでたいのである。酒を飲んで頭まで濡らすとは、やはり節度を知らないのである。

解説

周易六十四卦の最後、未済の卦の爻に対する象伝の短い注です。最初と最後の句がどちらも「亦」を用いて、限界を知らないこと、節度を知らないことを戒めているのが目を引きます。初六の子狐は自分の力の限りを知らずに渡ろうとして尾を濡らし、上九は祝いの酒に溺れて節度を失います。その間に、中の道で正しさを行う九二、志が行われる九四、徳の光が輝く六五が置かれています。始めは力量を知り、終わりは節度を知ることが、未完成の時を乗り切る鍵だという構成です。新しい挑戦を始めるときは自分の限界を見極め、成功しかけたときは浮かれず節度を保つ。この二つの自覚が、終わりのない仕事の巡りを支えると読めます。

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