易経 / 象伝
火在水上,未濟;君子以慎辨物居方。
新字:火在水上,未済;君子以慎弁物居方。
書き下し
火水上に在るは未済なり、君子は以て慎みて物を辨じ方に居らしむ。
現代語訳
火が水の上にある、これが未済の形である。君子はこれにならって慎重に物事を見分け、それぞれをふさわしい所に置く。
解説
未済の卦は、下が水、上が火という形です。火が上に、水が下にあって、火は上へ昇り水は下へ流れるばかりですから、互いにかみ合わず、事はまだ成りません。未済とは「いまだ渡り終えていない」ことを意味し、六十四卦はこの未完の卦をもって閉じられます。すべてが終わったところで終わらず、まだ途上であるところで終わる。ここに易の深い味わいがあります。そのうえで君子は、慎重に物事を見分け、それぞれをふさわしい場所に置くのだと説かれます。事が成らないのは力が足りないからではなく、置き場所が違っているからだという見方です。仕事や経営に引き寄せれば、人と役割の配置にあたります。うまく回らないとき、まず問うべきは、その人がその場所に合っているか、その仕事がその順序に置かれているかということです。よく見分け、正しく置き直す。未完を嘆かず、まだ渡り終えていない今を整える。それが未済の教える身の処し方です。
この章句が説くこと
易経象伝未済適材適所
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