師導古典を学びたいすべての人に

易経 / 困卦

入于幽谷,幽不明也。 困于酒食,中有慶也。 據于蒺藜,乘剛也。入于其宮,不見其妻,不祥也。 來徐徐,志在下也。雖不當位,有與也。 劓刖,志未得也。乃徐有說,以中直也。利用祭祀,受福也。 困于葛藟,未當也。動悔,有悔,吉行也。周易 第四十八卦 巽下坎上 易經:井:改邑不改井,无喪无得,往來井井。汔至亦未繘井。羸其瓶,凶。 初六:井泥不食,舊井无禽。 九二:井谷射鮒,瓮敝漏。 九三:井渫不食,為我心惻,可用汲,王明,并受其福。 六四:井甃,无咎。 九五:井冽,寒泉食。 上六:井收勿幕,有孚元吉。 彖曰:

新字:入于幽谷,幽不明也。 困于酒食,中有慶也。 拠于蒺藜,乗剛也。入于其宮,不見其妻,不祥也。 来徐徐,志在下也。雖不当位,有与也。 劓刖,志未得也。乃徐有説,以中直也。利用祭祀,受福也。 困于葛藟,未当也。動悔,有悔,吉行也。周易 第四十八卦 巽下坎上 易経:井:改邑不改井,无喪无得,往来井井。汔至亦未繘井。羸其瓶,凶。 初六:井泥不食,旧井无禽。 九二:井谷射鮒,瓮敝漏。 九三:井渫不食,為我心惻,可用汲,王明,并受其福。 六四:井甃,无咎。 九五:井冽,寒泉食。 上六:井収勿幕,有孚元吉。 彖曰:

書き下し

幽谷に入るとは、幽にして明らかならざるなり。酒食に困しむとは、中にして慶び有るなり。蒺藜に拠るとは、剛に乗ればなり。其の宮に入りて其の妻を見ずとは、祥(さいはひ)ならざるなり。来ること徐徐たりとは、志下に在るなり。位に当らずと雖も、与(くみ)する有るなり。劓刖せらるとは、志未だ得ざるなり。乃ち徐ろに説び有りとは、中直を以てなり。用て祭祀するに利ありとは、福を受くるなり。葛藟に困しむとは、未だ当らざるなり。動けば悔ゆ、悔ゆること有りとは、吉にして行くなり。周易 第四十八卦。巽下坎上。易経。井は、邑を改めて井を改めず、喪ふこと无く得ること无し、往来井井(せいせい)たり。汔(ほとん)ど至るも亦未だ井に繘(つるべなは)せず、其の瓶を羸(やぶ)る、凶。初六、井泥(どろ)にして食はれず、旧井に禽(とり)无し。九二、井谷(せいこく)鮒(ふな)に射(そそ)ぐ、瓮(かめ)敝(やぶ)れて漏る。九三、井渫(さら)へども食はれず、我が心の惻(いた)みを為す。用て汲むべし、王明らかならば、并(なら)びに其の福を受けん。六四、井甃(いしだたみ)す、咎无し。九五、井冽(きよ)くして、寒泉食はる。上六、井収(く)みて幕(おほ)ふ勿かれ、孚有りて元吉。彖に曰く、

現代語訳

暗い谷に入り込むとは、暗くて明るくないのである。酒食に苦しむとは、中の位にいて喜びがあるのである。いばらにすがるとは、剛強なものの上に乗っているからである。家に入ってもその妻に会えないとは、めでたくないことである。ゆっくりとやって来るとは、志が下の者にあるのである。位はふさわしくないが、味方がいるのである。鼻を切られ足を切られるとは、志がまだ遂げられないのである。やがてゆっくりと喜びが来るとは、中正で真っ直ぐだからである。祭祀を行うのがよいとは、福を受けるのである。葛のつるに絡まれて苦しむとは、まだ身の処し方が当を得ていないのである。動けば後悔すると思い込むが後悔を改めるとは、吉であって進んで行くのである。周易 第四十八卦。下が巽(木)、上が坎(水)。易経にいう。井(井戸)の卦。村を移しても井戸は移さない。水は汲んでも減らず、汲まなくても増えない。行く者も来る者も井戸の水を汲む。水面近くまで届いても、まだ釣瓶の縄が井戸水に届かず、その釣瓶を壊してしまえば凶である。初六、井戸が泥で濁り、飲まれない。古い井戸には鳥さえ寄りつかない。九二、井戸の底の穴から水が小魚に注ぐばかりで、甕は壊れて漏れる。九三、井戸をさらって清めたのに飲まれない。それが我が心を痛ませる。これは汲むべき水である。王が明らかであれば、皆がともにその福を受けるだろう。六四、井戸の内側を石で畳む(修理する)。咎はない。九五、井戸の水は清く、冷たい泉が飲まれる。上六、井戸から水を汲み上げても、ふたをしてはならない。誠があって大いに吉。彖伝にいう。

解説

前半は困の爻の注で、苦しみの中でも中正を保つ者にはゆっくりと喜びが来ること、思い込みの悔いを改めれば道が開けることを確かめます。後半は井の卦の卦辞と爻辞です。井戸は村を移しても動かせず、汲んでも減らず汲まなくても増えず、誰もがその水を汲む、変わらない根本の徳の象徴です。釣瓶が水面に届く直前で壊れるのは、あと一歩で仕事を台無しにする戒めです。爻は井戸の状態で人の境遇を表し、泥の井戸は用いられない者、漏れる甕は役に立たない器、清いのに汲まれない九三は埋もれた才能で、王が明らかなら皆が福を受けると嘆きます。石で補修する自己修養、清く冷たい泉として人を潤す徳、ふたをせず誰にでも開くことへと進みます。

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る