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易経 / 困卦

入于幽谷,幽不明也。 困于酒食,中有慶也。 據于蒺藜,乘剛也。入于其宮,不見其妻,不祥也。 來徐徐,志在下也。雖不當位,有與也。 劓刖,志未得也。乃徐有說,以中直也。利用祭祀,受福也。 困于葛藟,未當也。動悔,有悔,吉行也。

新字:入于幽谷,幽不明也。 困于酒食,中有慶也。 拠于蒺藜,乗剛也。入于其宮,不見其妻,不祥也。 来徐徐,志在下也。雖不当位,有与也。 劓刖,志未得也。乃徐有説,以中直也。利用祭祀,受福也。 困于葛藟,未当也。動悔,有悔,吉行也。

書き下し

幽谷に入るとは、幽にして明らかならざるなり。酒食に困しむとは、中にして慶び有るなり。蒺藜に拠るとは、剛に乗ればなり。其の宮に入りて其の妻を見ずとは、祥(さいはひ)ならざるなり。来ること徐徐たりとは、志下に在るなり。位に当らずと雖も、与(くみ)する有るなり。劓刖せらるとは、志未だ得ざるなり。乃ち徐ろに説び有りとは、中直を以てなり。用て祭祀するに利ありとは、福を受くるなり。葛藟に困しむとは、未だ当らざるなり。動けば悔ゆ、悔ゆること有りとは、吉にして行くなり。

現代語訳

暗い谷に入り込むとは、暗くて明るくないのである。酒食に苦しむとは、中の位にいて喜びがあるのである。いばらにすがるとは、剛強なものの上に乗っているからである。家に入ってもその妻に会えないとは、めでたくないことである。ゆっくりとやって来るとは、志が下の者にあるのである。位はふさわしくないが、味方がいるのである。鼻を切られ足を切られるとは、志がまだ遂げられないのである。やがてゆっくりと喜びが来るとは、中正で真っ直ぐだからである。祭祀を行うのがよいとは、福を受けるのである。葛のつるに絡まれて苦しむとは、まだ身の処し方が当を得ていないのである。動けば後悔すると思い込むが後悔を改めるとは、吉であって進んで行くのである。

解説

困の爻辞に象伝が添えた理由づけです。九二の酒食に困しむ者に「中にして慶び有る」と添え、苦しみの中でも中を守る者には喜びが来ると説きます。九五の「乃ち徐ろに説び有り」は「中直を以て」、まっすぐな心を保つからゆっくりと喜びが訪れるとします。そして上六の「動けば悔ゆ、悔ゆること有り」は「吉にして行くなり」、動けば悔いると思い込む心を改めれば、進んで吉になると結びます。苦境の中でも筋を曲げず、自分の思い込みを見直すことが、出口を見つける手がかりになります。

この章句が説くこと

苦境中正思い込み忍耐

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