易経 / 坤卦
履霜堅冰,陰始凝也。馴致其道,至堅冰也。 六二之動,直以方也。不習无不利,地道光也。 含章可貞,以時發也。或從王事,知光大也。 括囊无咎,慎不害也。 黃裳元吉,文在中也。 龍戰于野,其道窮也。 用六永貞,以大終也。 文言曰:坤至柔而動也剛,至靜而德方。後得主而有常,含萬物而化光。坤道其順乎!承天而時行。
新字:履霜堅冰,陰始凝也。馴致其道,至堅冰也。 六二之動,直以方也。不習无不利,地道光也。 含章可貞,以時発也。或従王事,知光大也。 括嚢无咎,慎不害也。 黄裳元吉,文在中也。 竜戦于野,其道窮也。 用六永貞,以大終也。 文言曰:坤至柔而動也剛,至静而徳方。後得主而有常,含万物而化光。坤道其順乎!承天而時行。
書き下し
霜を履みて堅冰とは、陰始めて凝るなり。其の道を馴致すれば、堅冰に至るなり。六二の動は、直にして以て方なり。習はずして利あらざる无しとは、地道光(おほ)いなればなり。章を含みて貞にすべしとは、時を以て発するなり。或いは王事に従ふとは、知光大なればなり。嚢を括る咎无しとは、慎めば害あらざるなり。黄裳元いに吉とは、文中に在ればなり。龍野に戦ふとは、其の道窮まればなり。用六永く貞なるは、大を以て終ふるなり。文言に曰く、坤は至柔にして動くや剛なり、至静にして徳方なり。後るれば主を得て常有り、万物を含みて化光いなり。坤道は其れ順なるか。天を承けて時に行ふ。
現代語訳
霜を踏んで堅い氷に至るとは、陰の気が初めて凝り固まることである。その成り行きに従っていけば、ついには堅い氷に至る。六二の動きは、まっすぐで方正である。習わなくても不利なことはないとは、大地の道が広く輝いているからである。美しさを内に含んで正しさを守れるとは、時を待って外に表すことである。王の事業に従うとは、その知恵が広く大きいからである。袋の口をくくって咎がないとは、慎んでいれば害を受けないということである。黄色の裳で大いに吉とは、美しい徳が内の中ほどにあるからである。龍が野で戦うとは、陰の道が行き詰まったからである。用六でいつまでも正しさを守るとは、大いなる陽に従って終わりを全うすることである。文言伝にいう。坤はこの上なく柔らかいが、動けば剛く、この上なく静かだが、その徳は方正である。人に後れて従えば主を得て常の道を保ち、万物を包み込んでその変化を輝かせる。坤の道はなんと従順なことか。天を受けて、時に応じて行う。
解説
関連する章句
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易経・坤卦周易 第二卦。坤下坤上。易経。坤は、元いに亨る。牝馬の貞に利あり。君子往く攸有り、先んずれば迷ひ後るれば主を得。西南に朋を得、東北に朋を喪ふに利あり。貞に安んずれば吉。初六、霜を履みて堅冰至る。六二、直方大なり、習はずして利あらざる无し。六三、章を含みて貞にすべし。或いは王事に従ふも、成すこと无くして終り有り。六四、嚢を括る、咎も无く誉れも无し。六五、黄裳、元いに吉。上六、龍野に戦ふ、其の血玄黄なり。用六、永く貞なるに利あり。彖に曰く、
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易経・彖伝至れるかな坤元、万物資りて生ず、乃ち順いて天を承く。坤は厚くして物を載せ、徳は無疆に合す。含弘光大にして、品物咸く亨る。牝馬は地の類なり、地を行くこと疆り無く、柔順にして貞に利ろし。君子の行く攸、先んずれば迷いて道を失い、後るれば順いて常を得。西南に朋を得とは、乃ち類と行けばなり。東北に朋を喪うとは、乃ち終に慶び有ればなり。安貞の吉は、地の無疆に応ずればなり。
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易経・文言陰は美有りと雖も之を「含」みて以て王事に從い、敢えて成さざるなり。地の道なり、妻の道なり、臣の道なり。地の道は「成すこと无く」して「終わり有る」に代わるなり。天地變化して、草木蕃る。天地閉じて、賢人隱る。《易》に曰く「囊を括る、咎无く譽无し」とは、蓋し謹むを言うなり。
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易経・象伝地勢は坤なり、君子は以て徳を厚くして物を載す。
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易経・文言「亢」の言たるや、進むを知りて退くを知らず、存するを知りて亡ぶるを知らず、得るを知りて喪うを知らず。其れ唯だ聖人か。進退存亡を知りて其の正を失わざる者は、其れ唯だ聖人か。《文言》に曰く、《坤》は至柔にして動くや剛、至靜にして德は方なり。後れて主を得て常有り、萬物を含みて化すること光いなり。坤の道は其れ順なるか、天を承けて時に行う。
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易経・文言君子は「黃」中にして理に通じ、位を正して體に居り、美は其の中に在りて四支に暢び、事業に發す。美の至れるなり。陰の陽に疑わしければ必ず「戰う」。其の陽无きに嫌わるるが為なり、故に「龍」と稱す。猶お未だ其の類を離れざるなり、故に「血」と稱す。夫れ「玄黃」とは、天地の雜なり。天は玄にして地は黃なり。
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