童子問 / 卷中
問。楊龜山曰。人性上不可添一物。堯舜爲萬世之法。亦只循性而已。而以歐陽永叔所謂聖人敎人性非所先爲非。如何。曰。歐陽子之言。亦不可深非也。論語曰。性相近也。習相遠也。此見聖人不責乎性。而專責乎習也。又曰。有敎無類。此見不貴性。而專貴敎也。葢有敎。則性之美惡在所不論。向嘗爲子明性道敎之分。今又申明之。
新字:問。楊亀山曰。人性上不可添一物。堯舜為万世之法。亦只循性而已。而以欧陽永叔所謂聖人教人性非所先為非。如何。曰。欧陽子之言。亦不可深非也。論語曰。性相近也。習相遠也。此見聖人不責乎性。而専責乎習也。又曰。有教無類。此見不貴性。而専貴教也。葢有教。則性之美悪在所不論。向嘗為子明性道教之分。今又申明之。
書き下し
問ふ、楊亀山曰く、人性の上には一物をも添ふべからず。堯舜万世の法を為すも、亦只だ性に循ふのみと。而して欧陽永叔の所謂聖人人を教ふるに性は先にする所に非ずといふを以て非と為す。如何。曰く、欧陽子の言も、亦深く非とすべからざるなり。論語に曰く、性相近きなり、習相遠きなりと。此れ聖人性を責めずして、専ら習を責むるを見るなり。又曰く、教へ有りて類無しと。此れ性を貴ばずして、専ら教へを貴ぶを見るなり。蓋し教へ有れば、則ち性の美悪は論ぜざる所に在り。向に嘗て子の為に性道教の分を明らかにす。今又之を申明せん。
現代語訳
問う。楊亀山は「人の性の上には何一つ付け加えてはならない。堯舜が万世の法を立てたのも、ただ性に従っただけである」と言い、欧陽脩の「聖人が人を教えるのに、性を先にはしない」という言葉を誤りとした。どうか。答えていう。欧陽脩の言葉も、深く非難すべきではない。論語に「生まれつきの性は互いに近いが、習いによって遠く隔たる」とある。これは聖人が性を責めず、もっぱら習いを責めたことを示している。また「教えがあれば、人に類(生まれの別)はない」とある。これは性を貴ばず、もっぱら教えを貴んだことを示している。思うに、教えがあれば、性の美悪は論じるまでもないのである。以前、あなたのために性・道・教の区別を明らかにしたことがある。今また重ねてそれを明らかにしよう。
解説
この章句が説くこと
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