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童子問 / 卷中

問守身之法。曰。節儉爲要。夫儉者萬善之本。奢者衆惡之基。非惟其身成敗之所分。其家儉則福慶流於子孫。奢則凶禍傳於後嗣。可不愼乎。

新字:問守身之法。曰。節倹為要。夫倹者万善之本。奢者衆悪之基。非惟其身成敗之所分。其家倹則福慶流於子孫。奢則凶禍伝於後嗣。可不慎乎。

書き下し

身を守るの法を問ふ。曰く、節倹を要と為す。夫れ倹は万善の本、奢は衆悪の基なり。惟だに其の身の成敗の分かるる所のみに非ず。其の家倹なれば則ち福慶子孫に流れ、奢なれば則ち凶禍後嗣に伝ふ。慎まざるべけんや。

現代語訳

身を守る方法を問うた。答えていう。節倹が要である。そもそも倹約はあらゆる善の本であり、奢りはもろもろの悪の基である。それはただ自分一身の成功と失敗の分かれ目であるだけではない。その家が倹約であれば、幸いと喜びが子孫に流れ、奢っていれば、災いが後継ぎに伝わる。慎まないでよかろうか。

解説

身を守る方法を問われ、仁斎は節倹の一語で答える。倹約は万善の本、奢侈は衆悪の基であり、その影響は自分一代にとどまらず、子孫の幸不幸にまで及ぶという。理を高く論じるより、日々の暮らしの手堅さに徳の土台を見るところに、人倫日用を重んじる仁斎の姿勢が表れている。京都の町人の家に生まれた仁斎にとって、家の盛衰は身近な現実でもあっただろう。現代に置きかえれば、収入が増えたときこそ生活を膨らませず、身の丈を守ることが、自分と家族の将来を守る最も確かな方法だと教えられる。

この章句が説くこと

倹節倹奢守身家子孫

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