童子問 / 卷上
問。易知易行。萬世不易之理。實爲至極。既得聞命矣。然心中猶未能釋然。願以易曉之語。申垂諭。曰。人外無道。道外無人。以人行人之道。何難知難行之有。夫雖以人之靈。然不能若羽者之翔。鱗者之潛者。其性異也。於服堯之服。行堯之行。誦堯之言。則無復甚難者。其道同也。故孟子曰。夫道一而巳矣。若夫欲外人倫。而求道者。猶捕風捉影。必不可得也。故知道者。必求之於邇。其以道爲高。爲遠。爲不可企及者。皆非道之本然。自惑之所致也。
新字:問。易知易行。万世不易之理。実為至極。既得聞命矣。然心中猶未能釈然。願以易暁之語。申垂諭。曰。人外無道。道外無人。以人行人之道。何難知難行之有。夫雖以人之霊。然不能若羽者之翔。鱗者之潜者。其性異也。於服堯之服。行堯之行。誦堯之言。則無復甚難者。其道同也。故孟子曰。夫道一而巳矣。若夫欲外人倫。而求道者。猶捕風捉影。必不可得也。故知道者。必求之於邇。其以道為高。為遠。為不可企及者。皆非道之本然。自惑之所致也。
書き下し
問ふ、易知易行・万世不易の理の、実に至極為ることは、既に命を聞くことを得たり。然れども心中猶ほ未だ釈然たること能はず。願はくは易く暁りやすきの語を以て、申ねて諭を垂れよと。曰く、人の外に道無く、道の外に人無し。人を以て人の道を行ふ、何の難知難行か之れ有らん。夫れ人の霊を以てすと雖も、然れども羽ある者の翔り、鱗ある者の潜るが若くなること能はざる者は、其の性異なればなり。堯の服を服し、堯の行ひを行ひ、堯の言を誦するに於ては、則ち復た甚だ難き者無し。其の道同じければなり。故に孟子曰く、夫れ道は一のみと。若し夫れ人倫を外にして道を求むる者は、猶ほ風を捕へ影を捉ふるがごとく、必ず得べからざるなり。故に道を知る者は、必ず之を邇きに求む。其の道を以て高しと為し、遠しと為し、企て及ぶべからずと為す者は、皆道の本然に非ず、自ら惑ふの致す所なり。
現代語訳
問う。「知りやすく行いやすい万世不変の道理が、まことに至極であることは、すでにお教えいただきました。しかし心の中ではまだすっきりしません。どうか分かりやすい言葉で、重ねてお諭しください。」答えて言う。「人の外に道はなく、道の外に人はない。人が人の道を行うのに、何の知りがたさ、行いがたさがあろうか。人は万物の霊長ではあっても、羽のある鳥のように空を翔け、鱗のある魚のように水に潜ることはできない。それは本性が異なるからである。しかし堯の服を着、堯の行いを行い、堯の言葉を口にすることには、少しも難しいことはない。それは道が同じだからである。だから孟子は『道は一つだけである』と言った。もし人倫を外れて道を求めようとすれば、風を捕らえ影をつかむようなもので、決して得ることはできない。だから道を知る者は、必ずそれを身近なところに求める。道を高いもの、遠いもの、及びがたいものと考えるのは、皆道の本来の姿ではなく、自ら惑うことから生じるのである。」
解説
この章句が説くこと
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