孫子 / 始計篇
道者,令民與上同意,可與之死,可與之生,而不畏危也。
新字:道者,令民与上同意,可与之死,可与之生,而不畏危也。
書き下し
道とは、民をして上と意を同じくし、之と死す可く、之と生く可くして、危きを畏れざらしむるなり。
現代語訳
道とは、民が上に立つ者と同じ思いを持ち、上と共に死ぬこともでき、共に生きることもでき、危険を恐れなくなる状態のことである。
解説
五事の筆頭に置かれた道の定義である。精神論ではなく、組織の設計条件として書かれている。孔子が定義したのは「命令が通ること」ではない。上と同じ思いを共有していることだ。同じ絵を見ていない集団は、危機の場面で必ず割れる。注目したいのは、死と生を並べていることである。一緒に死ねる関係だけを言っているのではない。一緒に生きていける関係でもある。追い詰められたときに踏みとどまる力と、平時に共に働き続ける力は、同じ根から出ている。上が何のためにこの事業をやっているのかを語らずに、規律や報酬だけで人を動かそうとしても、いざというときに踏みとどまる力は生まれない。組織を測るとき、最初に見るべきはここである。
この章句が説くこと
道理念五事価値観理念の共有統一
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