智囊 / 集哲・僖負羈妻
晉公子重耳至曹,曹共公聞其駢脅,使浴而窺之。曹大夫僖負羈之妻曰:「吾觀晉公子之從者皆足以相國,若以相,夫子必反其國,反其國,必得志於諸侯,得志於諸侯而誅無禮,曹其首也,子盍早自貳焉。」乃餽盤飧,置璧焉,公子受飧反璧,及重耳入曹,令無入僖負羈之宮。〔議〕僖負羈始不能效鄭叔詹之諫,而私歡晉客;及晉報曹,又不能夫妻肉袒為曹君謝罪,蓋庸人耳。獨其妻能識人,能料事,有不可泯沒者。
新字:晋公子重耳至曹,曹共公聞其駢脅,使浴而窺之。曹大夫僖負羈之妻曰:「吾観晋公子之従者皆足以相国,若以相,夫子必反其国,反其国,必得志於諸侯,得志於諸侯而誅無礼,曹其首也,子盍早自貳焉。」乃餽盤飧,置璧焉,公子受飧反璧,及重耳入曹,令無入僖負羈之宮。〔議〕僖負羈始不能効鄭叔詹之諫,而私歓晋客;及晋報曹,又不能夫妻肉袒為曹君謝罪,蓋庸人耳。独其妻能識人,能料事,有不可泯没者。
書き下し
晋の公子重耳、曹に至る。曹の共公、其の駢脅を聞き、浴せしめて之を窺う。曹の大夫僖負羈の妻曰く、「吾れ晋公子の従者を観るに、皆な以て国を相くるに足る。若し以て相たらば、夫子は必ず其の国に反らん。其の国に反らば、必ず諸侯に志を得ん。諸侯に志を得て無礼を誅せば、曹は其の首ならん。子盍ぞ早く自ら弐を為さざる」と。乃ち盤飧を餽り、璧を置く。公子は飧を受けて璧を反す。重耳が曹に入るに及び、僖負羈の宮に入る無からしむ。〔議〕僖負羈は始め鄭の叔詹の諫に効う能わず、而して私かに晋客を歓ぶ。晋の曹に報ずるに及び、又た夫妻肉袒して曹君の為に謝罪する能わず。蓋し庸人のみ。独り其の妻のみ能く人を識り、能く事を料り、泯没すべからざる者有り。
現代語訳
晋の公子の重耳が曹の国に来た。曹の共公は、彼が肋骨が一枚に連なっていると聞き、入浴させてのぞき見た。曹の大夫の僖負羈の妻が言った。「私は晋の公子の従者たちを見ましたが、みな国を補佐するに足る人物です。もし彼らが補佐するなら、公子は必ず自国に帰れるでしょう。帰れば、必ず諸侯の中で志を遂げます。志を遂げて無礼な国を討てば、曹はその最初になるでしょう。あなたはなぜ早く自分だけ別の道を持たないのですか」。そこで皿に盛った食事を贈り、その中に璧を置いた。公子は食事を受けて璧を返した。のちに重耳が曹に入ったとき、僖負羈の家には立ち入らないよう命じた。〔議〕僖負羈は、はじめ鄭の叔詹のように君主を諫めることができず、ひそかに晋の客をもてなした。晋が曹を討ったときにも、夫婦で肉袒して曹君のために謝罪することもできなかった。つまり凡庸な人である。ただその妻だけが人を見抜き、事を見通し、消してはならない価値がある。
解説
この章句が説くこと
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史記 魏世家宋の黄池を侵す。宋復た之を取る。十七年、秦と元裏に戦ひ、秦我が少梁を取る。趙の邯鄲を囲む。十八年、邯鄲を抜く。趙救ひを斉に請ふ。斉、田忌・孫臏をして趙を救はしめ、魏を桂陵に敗る。十九年、諸侯我が襄陵を囲む。長城を築き、固陽を塞ぐ。廿年、趙に邯鄲を帰し、与に漳水の上に盟ふ。廿一年、秦と彤に会す。趙の成侯卒す。廿八年、斉の威王卒す。中山君魏に相たり。卅年、魏趙を伐つ。趙急を斉に告ぐ。斉の宣王孫子の計を用ひ、趙を救ひて魏を撃つ。魏遂に大いに師を興し、龐涓をして将たらしめ、而して太子申をして上将軍と為らしむ。外黄を過る。外黄の徐子太子に謂ひて曰く、『臣に百戦百勝の術有り』と。太子曰く、『聞くことを得べきか』と。客曰く、『固より之を效さんことを願ふ』と。曰く、『太子自ら将として斉を攻め、大いに勝ちて莒を并すとも、則ち富は魏を有つに過ぎず、貴は王と為るに益さず。若し戦ひて斉に勝たずんば、則ち万世魏無からん。此れ臣の百戦百勝の術なり』と。太子曰く、『諾。請ふ必ず公の言に従ひて還らん』と。客曰く、『太子還らんと欲すと雖も、得ざらん。彼の太子に戦攻を勧めて、汁を啜らんと欲する者衆し。太子還らんと欲すと雖も、恐らくは得ざらん』と。太子因りて還らんと欲す。其の御曰く、『将として出でて還るは、北ぐると同じ』と。太子果たして斉人と戦ひ、馬陵に敗る。斉、魏の太子申を虜にし、将軍涓を殺し、軍遂に大いに破る。卅一年、秦・趙・斉共に我を伐つ。秦の将商君、我が将軍公子卬を詐りて其の軍を襲奪し、之を破る。秦商君を用ひ、東地河に至り、而して斉・趙数々我を破る。安邑秦に近し。是に於て徙りて大梁に治す。公子赫を以て太子と為す。卅三年、秦の孝公卒し、商君秦を亡げて魏に帰す。魏怒り、入れず。卅五年、斉の宣王と平阿の南に会す。恵王数々軍旅に被り、礼を卑くし幣を厚くして以て賢者を招く。
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