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智囊 / 集哲・婁妃

寧藩將反,婁妃嘗泣諫之,不聽。既就擒,檻車北上,與監押官言往事即痛哭,且曰:「昔紂用婦言而亡天下,吾不用婦言而亡家國,悔恨何及?」〔述評〕僕固懷恩之母勸其子勿反,謝綜等赴東市,綜母獨不出視,皆能識大義者,與妃而三耳。

新字:寧藩将反,婁妃嘗泣諫之,不聴。既就擒,檻車北上,与監押官言往事即痛哭,且曰:「昔紂用婦言而亡天下,吾不用婦言而亡家国,悔恨何及?」〔述評〕僕固懐恩之母勧其子勿反,謝綜等赴東市,綜母独不出視,皆能識大義者,与妃而三耳。

書き下し

寧藩将に反せんとするとき、婁妃嘗て泣きて之を諫むるも、聴かれず。既に擒に就くや、檻車北上し、監押官と往事を言えば即ち痛哭し、且つ曰く、「昔、紂は婦言を用いて天下を亡ぼせり。吾れは婦言を用いずして家国を亡ぼせり。悔恨何ぞ及ばん」と。〔述評〕僕固懐恩の母の其の子に反する勿れと勧め、謝綜らの東市に赴くとき、綜の母のみ独り出でて視ざりしは、皆な能く大義を識る者にして、妃と三たりなるのみ。

現代語訳

寧王が謀反を起こそうとしたとき、婁妃はかつて泣いてそれを諫めたが、聞き入れられなかった。捕らえられ、檻車で北へ送られる途中、護送の役人と過去の話をするたびに慟哭し、こう言った。「昔、紂王は女の言葉を用いて天下を滅ぼしました。私の夫は女の言葉を用いずに家も国も滅ぼしました。悔やんでも及びません」。〔述評〕僕固懐恩の母が息子に反逆するなと勧めたこと、謝綜らが東市に赴くとき、綜の母だけが出て見なかったことは、いずれも大義をわきまえた者の例で、婁妃とあわせて三人だけである。

解説

この話は、止める声が届かなかった悔恨を、後に自らの立場を通して語ったものです。婁妃は謀反の前に泣いて諫めましたが、夫は聞きませんでした。捕らわれてからの言葉は、紂王が女の言葉に従って滅びた故事を逆転させ、聞き入れなかった側の過ちを突いています。ここでの教訓は、組織の危機において、近くにいる人の諫めをどれだけ真剣に受け止めるかが運命を分ける、という点です。経営者が成功の熱に浮かされているとき、反対意見は耳障りですが、最も価値のある情報かもしれません。評にある三人の母や妃の例は、親しい間柄だからこそ言える諫言の役割を示しています。

この章句が説くこと

泣諫不聴悔恨何及識大義諫言リーダーの器危機管理

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