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智囊 / 集哲・李新聲

李新聲者,邯鄲李岩女。太和中,張谷納為家妓,長而有寵。劉從諫襲父封,谷以窮游佐其事,新聲謂谷曰:「前日天子授從諫節鉞,非有拔城野戰之功,特以先父挈齊還我,去就間未能奪其嗣耳。自劉氏奄有全趙,更改歲時,未嘗以一履一蹄為天子壽,且章武朝數鎮傾覆,彼皆雄才杰器,尚不能固天子恩,況從諫擢自兒女子手中耶!以不法而得,亦宜以不法而終,公不幸為其屬,若不能早折其肘臂以作天子計,則宜脫旅西去,大丈夫勿顧一飯煩惱,以骨肉腥健兒衣食。」言畢悲泣不已,谷不決,竟從逆死。

新字:李新声者,邯鄲李岩女。太和中,張谷納為家妓,長而有寵。劉従諫襲父封,谷以窮游佐其事,新声謂谷曰:「前日天子授従諫節鉞,非有抜城野戦之功,特以先父挈斉還我,去就間未能奪其嗣耳。自劉氏奄有全趙,更改歳時,未嘗以一履一蹄為天子寿,且章武朝数鎮傾覆,彼皆雄才杰器,尚不能固天子恩,況従諫擢自児女子手中耶!以不法而得,亦宜以不法而終,公不幸為其属,若不能早折其肘臂以作天子計,則宜脱旅西去,大丈夫勿顧一飯煩悩,以骨肉腥健児衣食。」言畢悲泣不已,谷不決,竟従逆死。

書き下し

李新声は、邯鄲の李岩の女なり。太和中、張谷納れて家妓と為し、長じて寵有り。劉従諫父の封を襲い、谷は窮游を以て其の事を佐く。新声谷に謂いて曰く、「前日天子の従諫に節鉞を授くるは、城を抜き野に戦うの功有るに非ず。特だ先父斉を挈げて我に還せしを以て、去就の間、未だ其の嗣を奪う能わざるのみ。劉氏の全趙を奄有してより、歳時を更改するも、未だ嘗て一履一蹄を以て天子の寿を為さず。且つ章武の朝、数鎮傾覆し、彼は皆な雄才の杰器なるも、尚お天子の恩を固くする能わず。況んや従諫は兒女子の手中より擢んでらるるをや。不法を以て得し者は、亦た宜しく不法を以て終わるべし。公不幸にして其の属たり。若し早く其の肘臂を折りて以て天子の計を作す能わずんば、則ち宜しく旅を脱して西に去るべし。大丈夫は一飯の煩悩を顧みる勿れ、骨肉の腥く健やかなる兒の衣食を以てす」と。言い畢わりて悲泣して已まず。谷決せず、竟に逆に従いて死す。

現代語訳

李新声は、邯鄲の李岩の娘である。太和年間に、張谷が迎えて家の妓女とし、成長して寵愛を受けた。劉従諫が父の封を継ぐと、谷は貧しい旅人の身でその事を助けた。新声は谷に言った。「先日、天子が従諫に節鉞を授けたのは、城を落とし野戦で戦った功績があったからではありません。ただ先代が斉を率いて我が国に返したので、去就の際に、その嗣子を奪うことができなかっただけです。劉氏が趙の全域を領有してから年月が改まっても、一足の履き物、一頭の蹄ほどのものも天子の寿のために献上していません。それに章武の朝には、いくつもの鎮が覆りました。彼らはみな雄才の傑物でしたが、なお天子の恩を固められませんでした。まして従諫は、子女の手の中から抜擢された者です。不法で得たものは、不法で終わるのが道理です。あなたは不幸にもその部下になっています。もし早く彼の手足をくじき、天子のために計らうことができないなら、軍を離れて西へ去るべきです。大丈夫は一飯の恩に気を取られてはなりません。血なまぐさく健やかな子を育てる衣食のために」。言い終わると悲しんで泣き止まなかった。谷は決断できず、結局逆賊に従って死んだ。

解説

李新声の言葉は、内部にいながら冷静に、組織の将来を見通した警告です。従諫は功績でなく、世襲という形で地位を得ており、天子への貢ぎ物も出さない、といった事実を並べ、不法に得たものは不法に終わると結論づけています。そして、止められないならば離脱すべきだと、はっきり進路を示しました。しかし張谷は恩義にとらわれて決断できず、逆賊とともに死にました。現代でも、不正や無理な経営に疑問を覚えながら、恩や居場所に縛られて離れられず、巻き込まれる例があります。管理職は、内部の警告を受け止める勇気と、必要なときに離脱する決断を持つべきです。

この章句が説くこと

不法而得不法而終脱旅西去顧一飯離脱危機管理決断

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