智囊 / 武案・劉馥・盛昶
劉馥為揚州刺史,高為城壘,多積木石,編作草苫數千萬枚,益貯魚膏數千斛,為戰守備。建安十三年,孫權十萬眾攻圍合肥城百餘日,時天連雨,城欲崩,於是以苫蓑覆之。夜燃脂照城外,視賊所作而為備,賊敗走。盛昶為監察御史,以直諫謫羅江縣令。為政廉明,吏畏而民信之。時邑寇胡元昂嘯集稱叛,昶行檄諭散其黨。鄰邑德陽寇趙鐸者,僭稱趙王。所至屠戳,攻成都,官軍覆陷,殺汪都司,勢叵測。羅江故無城,昶令引水繞負縣田。晝開市門,市中各閉戶,藏兵於內,約炮響兵出。又伏奇兵山隈,陽示弱,遣迎賊入室,未半,昶率義勇士聞炮聲,兵突出,各橫截賊,賊不相救;山隈伏兵應聲夾攻,殊死鬥,賊大北,斬獲不記數,俘獲子女財物盡給其民。邑賴以完,父老泣曰:「向微盛公,吾屬俱罹鋒鏑矣。」
新字:劉馥為揚州刺史,高為城塁,多積木石,編作草苫数千万枚,益貯魚膏数千斛,為戦守備。建安十三年,孫権十万衆攻囲合肥城百余日,時天連雨,城欲崩,於是以苫蓑覆之。夜燃脂照城外,視賊所作而為備,賊敗走。盛昶為監察御史,以直諫謫羅江県令。為政廉明,吏畏而民信之。時邑寇胡元昂嘯集称叛,昶行檄諭散其党。鄰邑徳陽寇趙鐸者,僭称趙王。所至屠戳,攻成都,官軍覆陥,殺汪都司,勢叵測。羅江故無城,昶令引水繞負県田。昼開市門,市中各閉戸,蔵兵於内,約炮響兵出。又伏奇兵山隈,陽示弱,遣迎賊入室,未半,昶率義勇士聞炮声,兵突出,各横截賊,賊不相救;山隈伏兵応声夾攻,殊死鬥,賊大北,斬獲不記数,俘獲子女財物尽給其民。邑頼以完,父老泣曰:「向微盛公,吾属倶罹鋒鏑矣。」
書き下し
劉馥、揚州刺史と為り、高く城壘を為り、多く木石を積み、草苫数千万枚を編作し、益ます魚膏数千斛を貯え、戦守の備えを為す。建安十三年、孫権、十万の衆もて合肥城を攻め囲むこと百余日。時に天連雨し、城崩れんと欲す。是に於いて苫蓑を以て之を覆う。夜に脂を燃やして城外を照らし、賊の作す所を視て備えを為す。賊敗走す。盛昶、監察御史と為り、直諫を以て羅江県令に謫せらる。政を為すこと廉明、吏は畏れて民は之を信ず。時に邑寇の胡元昂、嘯集して叛を称す。昶、檄を行して其の党を諭散せしむ。鄰邑の徳陽の寇、趙鐸なる者、趙王を僭称す。至る所屠戮し、成都を攻め、官軍覆陥し、汪都司を殺す。勢い測り難し。羅江は故より城無し。昶、水を引いて県田を繞らしむ。昼は市門を開き、市中は各おの戸を閉ざし、兵を内に蔵し、炮響を約して兵出ださしむ。又た奇兵を山隈に伏せ、陽に弱きを示し、賊を迎えて室に入れしむ。未だ半ばならざるに、昶、義勇の士を率い、炮声を聞きて兵突出し、各おの賊を横截す。賊は相い救わず。山隈の伏兵、声に応じて夾攻し、殊死して闘い、賊大いに北ぐ。斬獲数うるに記せず。俘獲せし子女財物は尽く其の民に給す。邑は賴りて以て完し。父老泣きて曰く、「向に盛公無かりせば、吾が属は倶に鋒鏑に罹らん」と。
現代語訳
劉馥は揚州刺史になると、城壁を高く造り、木や石をたくさん積み、草の覆いを数千万枚編み、さらに魚の油を数千斛も蓄え、戦いと守りに備えた。建安十三年、孫権が十万の兵で合肥城を攻め囲むこと百余日、その間ずっと雨が降り続いて、城壁が崩れそうになった。そこで草の覆いと蓑で城壁を覆った。夜には油を燃やして城外を照らし、敵の動きを見て備えた。敵は敗れて逃げた。盛昶は監察御史であったが、直言したために羅江県令に左遷された。政治は清廉で明らかで、役人は畏れ、民は信頼した。当時、県内の賊の胡元昂が人を集めて反乱を名乗った。昶は触れ文を出してその仲間を諭して解散させた。隣県の徳陽の賊、趙鐸は趙王を僭称し、至る所で殺戮し、成都を攻め、官軍は敗れ、汪都司を殺した。勢いは測りがたかった。羅江はもともと城壁がなかった。昶は水を引いて県の田の周りを囲ませた。昼は市の門を開き、市中の家は戸を閉め、兵を内に隠し、砲声を合図に兵が出る約束をした。また奇襲の兵を山の隈に伏せ、わざと弱さを見せ、賊を迎え入れて市に入れた。半分も入らないうちに、昶は義勇の士を率い、砲声を聞いて兵が突き出て、それぞれ賊を横から断ち切った。賊は互いに助け合えなかった。山の隈の伏兵も声に応じて挟み撃ちにし、必死に戦い、賊は大敗した。斬ったり捕らえたりした数は数えきれなかった。捕らえた子女や財物はすべて民に与えた。県はこれによって守られた。父老は涙を流して言った。「先ごろ盛公がいなければ、私たちは皆、刃にかかっていた」。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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