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智囊 / 不戰・析公・王德用

晉、楚遇於繞角,欒武子書不欲戰。析公曰:「楚師輕窕,易震蕩也。若多鼓鈞聲,以夜軍之,楚師必遁。」晉人從之,楚師宵遁。王德用為定州路總管,日訓練士卒,久之,士殊可用。會契丹有諜者來覘,或請捕殺之。德用曰:「第舍之。吾正欲其以實還告,百戰百勝,不如以不戰勝也。」明日故大閱,士皆踴躍思奮,乃陽下令:「具糗糧,聽吾旗鼓所問。」覘者歸告,謂:「漢兵且大入。」遂來議和。

新字:晋、楚遇於繞角,欒武子書不欲戦。析公曰:「楚師軽窕,易震蕩也。若多鼓鈞声,以夜軍之,楚師必遁。」晋人従之,楚師宵遁。王徳用為定州路総管,日訓練士卒,久之,士殊可用。会契丹有諜者来覘,或請捕殺之。徳用曰:「第舎之。吾正欲其以実還告,百戦百勝,不如以不戦勝也。」明日故大閲,士皆踴躍思奮,乃陽下令:「具糗糧,聴吾旗鼓所問。」覘者帰告,謂:「漢兵且大入。」遂来議和。

書き下し

晋、楚は繞角に遇う。欒武子は戦うことを欲せず。析公曰く、「楚の師は軽窕にして、震蕩し易し。もし多く鼓し鈞声し、夜を以てこれを軍すれば、楚の師は必ず遁れん。」と。晋人はこれに従い、楚の師は宵に遁る。王徳用は定州路総管と為り、日々士卒を訓練し、久しくして、士は殊に用うべし。たまたま契丹の諜者来たり覘う者あり、あるいは請う、捕らえて殺さんと。徳用曰く、「ただこれを舍け。吾は正に其の実を以て還り告げんことを欲す。百戦百勝は、不戦を以て勝つに如かず。」と。明日、故に大閲し、士は皆踴躍して奮わんことを思う。乃ち陽に令を下す、「糗糧を具えよ、吾が旗鼓の問う所に聴け。」と。覘者は帰りて告げ、謂う、「漢兵は且に大いに入らんとす。」と。遂に来たりて和を議す。

現代語訳

晋と楚が繞角で遭遇した。欒武子は戦いたくなかった。析公は言った。「楚の軍は軽々しく落ち着きがなく、震わせやすいです。もし太鼓や鉦を盛んに鳴らし、夜に軍を動かせば、楚の軍は必ず逃げるでしょう。」晋の人々はこれに従い、楚の軍は夜に逃げた。王徳用が定州路総管となり、毎日兵士を訓練し、しばらくして、兵士は特に使えるようになった。ちょうど契丹の間者が来て様子を探った者がおり、ある者が捕らえて殺すよう願った。王徳用は言った。「まあ放っておけ。私はまさにその実情を持ち帰って伝えてほしいのだ。百戦して百勝するのは、戦わずに勝つのには及ばない。」翌日、わざと大規模な閲兵を行い、兵士はみな奮い立ち踊り上がった。そこで偽って命令を下した。「干し飯や食糧を整えよ、我が旗や太鼓の指図を聞け。」間者は帰って報告し、「漢の兵が大挙して攻め入るでしょう」と言った。そこで契丹は和議を求めに来た。

解説

二つの小話は、実際に戦う前に敵の心を動かして退かせる例です。析公は夜に音を立てて、落ち着きのない楚軍を恐れさせました。王徳用は、捕らえれば簡単に殺せる契丹の間者をあえて帰し、閲兵の場面を見せて実情を伝えさせ、大軍の動員を匂わせて和議に導いています。現代の経営でも、競合や取引先に対して、自社の実力や準備を適切に見せることが、無用な争いを避ける効果を持つことがあります。ただし、見せる内容が偽りでなく実力に裏づけられていることが前提で、日頃の訓練がなければ成立しません。

この章句が説くこと

不戦而勝大閲舎諜多鼓鈞声判断危機管理

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