導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

智囊 / 善言・簡雍・魏徵

先主時天旱,禁私釀,吏於人家索得釀具,欲論罰。簡雍與先主游,見男女行道,謂先主曰:「彼欲行淫,何以不縛?」先主曰:「何以知之?」對曰:「彼有其具。」先主大笑而止。文德皇后即葬。太宗即苑中作層觀,以望昭陵,引魏徵同升。徵熟視曰:「臣眊昏,不能見。」帝指示之。徵曰:「此昭陵耶?」帝曰:「然。」徵曰:「臣以為陛下望獻陵。若昭陵,則臣固見之矣。」帝泣,為之毀觀。

新字:先主時天旱,禁私醸,吏於人家索得醸具,欲論罰。簡雍与先主游,見男女行道,謂先主曰:「彼欲行淫,何以不縛?」先主曰:「何以知之?」対曰:「彼有其具。」先主大笑而止。文徳皇后即葬。太宗即苑中作層観,以望昭陵,引魏徴同升。徴熟視曰:「臣眊昏,不能見。」帝指示之。徴曰:「此昭陵耶?」帝曰:「然。」徴曰:「臣以為陛下望献陵。若昭陵,則臣固見之矣。」帝泣,為之毀観。

書き下し

先主の時天旱し、私醸を禁ず。吏人家に醸具を索め得、論罰せんと欲す。簡雍先主と游び、男女の道を行くを見て、先主に謂いて曰く、「彼行淫せんと欲す、何を以て縛らざる」と。先主曰く、「何を以て之を知る」と。対えて曰く、「彼其の具有り」と。先主大笑して止む。文徳皇后即ち葬る。太宗苑中に層観を作り、以て昭陵を望み、魏徴を引きて同に升る。徴熟視して曰く、「臣は眊昏にして見る能わず」と。帝指して示す。徴曰く、「此れ昭陵か」と。帝曰く、「然り」と。徴曰く、「臣は陛下の献陵を望むと以為えり。若し昭陵ならば、則ち臣固より之を見る」と。帝泣き、之が為に観を毀つ。

現代語訳

先主の時代、干ばつがあって、私的な酒造りが禁じられた。役人が民家から酒造りの道具を見つけ出し、罰しようとした。簡雍は先主と遊びに出て、道を行く男女を見て、先主に言った。「あの二人は淫らな行いをしようとしています。どうして縛らないのですか」。先主は「どうしてそれが分かる」と言った。簡雍は答えた。「あの二人はその道具を持っています」。先主は大笑いして、罰するのをやめた。文徳皇后が葬られた。太宗は御苑に高殿を作り、昭陵を望もうとして、魏徴を連れて一緒に登った。魏徴はじっと見て言った。「私は目がかすんでおり、見えません」。帝は指さして示した。魏徴は「あれが昭陵ですか」と言い、帝は「そうだ」と答えた。魏徴は言った。「私は陛下が献陵をご覧になっているのだと思っておりました。昭陵でしたら、私にもよく見えます」。帝は泣き、高殿を取り壊した。

解説

酒造りを禁じた先主には「道具を持っているから密造とは限らない」というたとえで悪法の無理を悟らせ、妻の陵を眺める太宗には、父の陵を望んでいるものと思ったと言って、亡き父への孝を忘れていないかを問いました。簡雍は冗談、魏徴は皮肉の形で、どちらも相手の行き過ぎを笑いや問いでやわらげています。先主の場合は、道具の所持だけで罰する運用の乱暴さを突きました。制度を現場で運用する者は、字面だけで罰すると本質を外します。ルールの趣旨に立ち返らせる一言を持つ参謀の価値を示す話です。

この章句が説くこと

彼有其具望献陵先主大笑諫言比喩制度運用

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る