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智囊 / 善言・孔子

陳侯起凌陽之台,未終,而坐法死者數人。又執三監吏,群臣莫敢諫者。孔子適陳,見陳侯,與登台而觀之,孔子前賀曰:「美哉,台乎!賢哉,主也!自古聖人之為台,焉有不戮一人而能致功若此者?」陳侯默然,使人赦所執吏。

新字:陳侯起凌陽之台,未終,而坐法死者数人。又執三監吏,群臣莫敢諫者。孔子適陳,見陳侯,与登台而観之,孔子前賀曰:「美哉,台乎!賢哉,主也!自古聖人之為台,焉有不戮一人而能致功若此者?」陳侯黙然,使人赦所執吏。

書き下し

陳侯、凌陽の台を起こすも、未だ終えずして、法に坐して死する者数人あり。又三監の吏を執らえ、群臣敢えて諫むる者莫し。孔子陳に適き、陳侯に見え、与に台に登りて之を観る。孔子前みて賀して曰く、「美なるかな、台や。賢なるかな、主や。古より聖人の台を為るや、焉くんぞ一人をも戮せずして能く功を致すこと此の若き者有らんや」と。陳侯默然とし、人をして執らえし所の吏を赦さしむ。

現代語訳

陳侯は凌陽の台を築いたが、まだ完成しないうちに、法に触れて死刑となった者が数人出た。さらに三人の監督官を捕らえたが、家臣たちは誰も諫めようとしなかった。孔子は陳に行って陳侯に会い、ともに台に登って眺めた。孔子は進み出て祝いを述べた。「美しい台ですね。賢明な主君でいらっしゃる。昔から聖人が台を造るとき、一人も殺さずにこれほどの功を挙げた例がありましょうか」。陳侯は黙り込み、人を遣って捕らえていた役人たちを赦した。

解説

諫めても聞かれない君主に、真正面から非を鳴らすのではなく、祝いの言葉の形で皮肉を差し出した話です。孔子は「一人も殺さずに」という一句で、陳侯がすでに数人を死なせている事実を相手自身に思い出させ、反論の余地を与えないまま赦免へ導きました。人は叱責されると防御に回りますが、称賛の形をとった指摘なら、自分で気づく余地が残ります。部下の失態や上司の暴走に向き合う管理職にとっても、相手の面子を保ちながら行動を変えさせる言い方は、強い武器になります。この話に馮夢龍の評は付いていません。

この章句が説くこと

美哉台乎不戮一人黙然諫言説得面子

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