智囊 / 敏悟・董伽羅
通海節度使段思平,為楊氏所忌,逃之。剖野核桃,有文曰:「青昔」。思平拆之曰:「青乃十二月,昔乃二十一日,吾當以是日舉義。」遂借兵東方,及河,欲渡,思平夜夢人斬其首,又夢玉瓶耳缺,又夢鏡破,懼不敢進兵。軍師董伽羅曰:「三夢皆吉兆也。公為大夫。夫,去首為『天』,天子兆也;玉瓶去耳為『王』;鏡中有影,如人相敵,鏡破影滅,無對矣。」思平乃決。遂逐楊氏而有其國。改蒙曰「大理」。〔述評〕《小說》載,秦王夢日落、山崩、海乾、花謝,群臣莫能解者。甘羅年十二,進曰:「日落帝星現,山崩地大平,海乾龍獻寶,花謝子收成。」事雖不經,亦云善對。
新字:通海節度使段思平,為楊氏所忌,逃之。剖野核桃,有文曰:「青昔」。思平拆之曰:「青乃十二月,昔乃二十一日,吾当以是日舉義。」遂借兵東方,及河,欲渡,思平夜夢人斬其首,又夢玉瓶耳欠,又夢鏡破,懼不敢進兵。軍師董伽羅曰:「三夢皆吉兆也。公為大夫。夫,去首為『天』,天子兆也;玉瓶去耳為『王』;鏡中有影,如人相敵,鏡破影滅,無対矣。」思平乃決。遂逐楊氏而有其国。改蒙曰「大理」。〔述評〕《小説》載,秦王夢日落、山崩、海乾、花謝,群臣莫能解者。甘羅年十二,進曰:「日落帝星現,山崩地大平,海乾竜献宝,花謝子収成。」事雖不経,亦云善対。
書き下し
通海節度使の段思平、楊氏の忌む所と為り、之を逃る。野の核桃を剖くに、文有りて曰く、「青昔」と。思平、之を拆きて曰く、「青は乃ち十二月、昔は乃ち二十一日。吾、当に是の日を以て義を挙ぐべし」と。遂に兵を東方に借り、河に及びて渡らんと欲す。思平、夜に人の其の首を斬るを夢み、又、玉瓶の耳欠くるを夢み、又、鏡の破るるを夢み、懼れて敢えて兵を進めず。軍師の董伽羅曰く、「三夢は皆吉兆なり。公は大夫と為る。夫は、首を去れば「天」と為る。天子の兆しなり。玉瓶の耳を去れば「王」と為る。鏡中に影有るは、人の相い敵するが如し。鏡破れて影滅ぶ、対無きなり」と。思平、乃ち決す。遂に楊氏を逐いて其の国を有つ。蒙を改めて「大理」と曰う。〔述評〕《小説》に載す、秦王、日落ち、山崩れ、海乾き、花謝するを夢む。群臣、能く解く者莫し。甘羅、年十二にして、進みて曰く、「日落つれば帝星現れ、山崩るれば地大いに平らか、海乾けば龍宝を献じ、花謝すれば子成るを収む」と。事、不経なりと雖も、亦た善対と云う。
現代語訳
通海節度使の段思平は、楊氏に憎まれて逃げた。野の胡桃を割ると、中に『青昔』という文字があった。思平はこれを分解して言った。「青は十二月、昔は二十一日。この日に兵を挙げるべきだ」。そこで東方の部族から兵を借り、河に着いて渡ろうとした。思平は夜、人に首を斬られる夢、玉の瓶の耳が欠ける夢、鏡が割れる夢を続けて見て、恐れて進軍しなかった。軍師の董伽羅は言った。「三つの夢はみな吉兆です。あなたは『大夫』の位に就きます。『夫』の字は頭を取れば『天』になり、天子の兆しです。玉瓶の耳を取れば『王』になります。鏡の中に影があるのは、人が向かい合って敵対しているようなもの。鏡が割れて影が消えるのは、敵がいなくなるということです」。思平はこれで決心し、楊氏を追い払って国を手に入れ、蒙の国号を改めて『大理』と呼んだ。〔述評〕『小説』によれば、秦王が日が落ち、山が崩れ、海が干上がり、花が散る夢を見た。家臣の誰も解けなかったが、甘羅は十二歳で進み出て言った。「日が落ちれば帝星が現れ、山が崩れれば大地は平らかに、海が干上がれば龍が宝を献じ、花が散れば実がなります」。この話は信じがたいが、うまい受け答えと言える。
解説
この章句が説くこと
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尉繚子・兵教下今戦国相攻め、大いに有徳を伐つ。伍よりして両、両よりして師、其の令を一にせず、率ね民心をして定まらざらしめ、徒らに驕侈を尚び、謀患辨訟し、吏其の事を究め、累ねて且に敗れんとす。日暮れ路遠く、還るに剉気有り、師老い将貪り、争掠して敗れ易し。凡そ将軽く、塁卑く、衆動けば、攻むべきなり。将重く、塁高く、衆懼るれば、囲むべきなり。凡そ囲むには必ず其の小利を開き、漸く夷弱ならしむれば、則ち節吝して食はざる者有り。衆夜撃つ者は、驚くなり。衆事を避くる者は、離るるなり。人の救を待ち、戦を期して蹙まるは、皆心失はれて気傷るるなり。気を傷れば軍を敗り、曲謀は国を敗る。
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