智囊 / 敏悟・楊佐
陵州有鹽井,深五十丈,皆石作底,用柏木為乾,上出井口,垂綆而下,方能得水。歲久,乾摧敗,欲易之,而陰氣騰上,入者輒死。唯天雨則氣隨以下,稍能施工,晴則亟止。佐官陵州,教工人用木盤貯水,穴隙灑之,如雨滴然,謂之水盤。如是累月,井乾一新,利復其舊。
新字:陵州有塩井,深五十丈,皆石作底,用柏木為乾,上出井口,垂綆而下,方能得水。歳久,乾摧敗,欲易之,而陰気騰上,入者輒死。唯天雨則気随以下,稍能施工,晴則亟止。佐官陵州,教工人用木盤貯水,穴隙灑之,如雨滴然,謂之水盤。如是累月,井乾一新,利復其旧。
書き下し
陵州に塩井有り、深さ五十丈、皆石を底と作し、柏木を用いて乾と為し、上は井口に出で、綆を垂れて下り、方に水を得べし。歳久しく、乾摧敗し、これを易えんと欲するも、陰気騰上し、入る者輒ち死す。ただ天雨なれば則ち気は随いて下り、稍や施工することを得、晴るれば則ち亟かに止む。佐、陵州に官たり、工人に教えて木盤を用いて水を貯え、穴隙に灑ぐこと雨滴の如くせしめ、これを水盤と謂う。是の如くすること累月、井の乾一新し、利その旧に復す。
現代語訳
陵州に塩の井戸があり、深さは五十丈、底はすべて石で、柏の木を枠にして、上は井戸の口まで出ていて、縄を垂らして下りて、ようやく水を得ることができた。年月がたって枠が朽ちたので、取り替えようとしたが、陰気(有毒ガス)が吹き上がり、入った者がすぐ死んだ。ただ雨が降ると気が雨とともに下がり、少しは作業ができたが、晴れるとただちにやめなければならなかった。楊佐が陵州の官となり、職人たちに木の盤を用いて水を溜め、隙間に雨粒のように注がせるようにした。これを水盤という。このようにして数か月、井戸の枠はすっかり新しくなり、利益も元通りになった。
解説
この章句が説くこと
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