智囊 / 靈變・耿定力
耿司馬公知成都府。益俗不喪而冠素,亟禁之。適兩台撥捕蝗,公寢未發。道逢三素冠,皆豪子弟也,數之曰:「法不汝貰,能掠蝗自雪乎?」其人擊顙,遍募人掠之。蝗盡,民無擾者。〔評〕本欲掠蝗,借素冠以濟。一舉兩得,靈心妙用,可以類推。
新字:耿司馬公知成都府。益俗不喪而冠素,亟禁之。適両台撥捕蝗,公寝未発。道逢三素冠,皆豪子弟也,数之曰:「法不汝貰,能掠蝗自雪乎?」其人撃顙,遍募人掠之。蝗尽,民無擾者。〔評〕本欲掠蝗,借素冠以済。一舉両得,霊心妙用,可以類推。
書き下し
耿司馬公は成都府に知たり。益の俗は喪せずして素冠す。亟かに之を禁ず。適々両台より蝗を捕るを撥するも、公は寝めて発せず。道に三素冠に逢う、皆な豪子弟なり。之を数めて曰く、「法は汝を貰さず。能く蝗を掠めて自ら雪ぐか」と。其の人は顙を擊ち、遍く人を募りて之を掠む。蝗尽くれば、民に擾らるる者無し。〔評〕本は蝗を掠めんと欲し、素冠に借りて以て済す。一挙両得、霊心の妙用、以て類推すべし。
現代語訳
耿司馬公は成都府の長官だった。益州の風俗には、喪中でもないのに白い冠をかぶる習慣があった。公は急いでこれを禁じた。ちょうど両台から蝗(いなご)を捕れという命令が出たが、公は止めて実行に移さなかった。道で白い冠をかぶった三人に出会ったが、皆、豪家の子弟だった。公は彼らを咎めて言った。「法はお前たちを許さない。蝗を捕って自分の罪を雪(すす)げるか」。その者たちは額を地に打ちつけて謝り、広く人を募って蝗を捕らえた。蝗が尽きると、民は誰にも迷惑をかけられなかった。〔評〕もとは蝗を捕らえようと思ったが、白冠の禁を利用してやり遂げた。一つの動きで二つの得を得た。聡明な心の妙なる働きで、これはいろいろな場面に応用できる。
解説
この章句が説くこと
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