智囊 / 靈變・黃震・趙葵
宋嘗給兩川軍士緡錢。詔至西川,而東川獨不及。軍士謀為變,黃震白主者曰:「朝廷豈忘東川耶?殆詔書稽留耳!」即開州帑給錢如西川,眾乃定。趙方,寧宗時為荊湖制置使,一日方賞將士。恩不償勞,軍欲為變。子葵時年十二三,覺之,亟呼曰:「此朝廷賜也,本司別有賞賚。」軍心一言而定。〔按〕趙葵,字南仲,每聞警報,與諸將偕出,遇敵輒深入死戰。諸將唯恐失制置子,盡死救之,屢以此獲捷。
新字:宋嘗給両川軍士緡銭。詔至西川,而東川独不及。軍士謀為変,黄震白主者曰:「朝廷豈忘東川耶?殆詔書稽留耳!」即開州帑給銭如西川,衆乃定。趙方,寧宗時為荊湖制置使,一日方賞将士。恩不償労,軍欲為変。子葵時年十二三,覚之,亟呼曰:「此朝廷賜也,本司別有賞賚。」軍心一言而定。〔按〕趙葵,字南仲,毎聞警報,与諸将偕出,遇敵輒深入死戦。諸将唯恐失制置子,尽死救之,屡以此獲捷。
書き下し
宋は嘗て両川の軍士に緡銭を給す。詔は西川に至るも、東川には独り及ばず。軍士は謀りて変を為さんとす。黄震は主者に白して曰く、「朝廷は豈に東川を忘れんや。殆ど詔書の稽留せるのみ」と。即ち州帑を開きて、西川の如く銭を給し、衆は乃ち定まる。趙方は、寧宗の時に荊湖制置使と為り、一日方に将士を賞す。恩は労に償わず、軍は変を為さんと欲す。子の葵は時に年十二三、之を覚り、亟かに呼びて曰く、「此れは朝廷の賜なり、本司に別に賞賚有り」と。軍心は一言にして定まる。〔按〕趙葵、字は南仲、警報を聞く毎に、諸将と偕に出で、敵に遇えば輒ち深く入りて死戦す。諸将は唯だ制置の子を失わんことを恐れ、尽く死して之を救い、屢々此を以て捷を獲たり。
現代語訳
宋の時代、かつて両川の兵士に銭を支給したことがあった。詔が西川には届いたが、東川にだけは届かなかった。東川の兵士たちは謀って変事を起こそうとした。黄震は担当者に申し上げた。「朝廷が東川を忘れるはずがありません。たぶん詔書が途中で遅れているだけでしょう」。そして州の金庫を開き、西川と同じように銭を支給して、兵たちはようやく落ち着いた。趙方は、寧宗のとき荊湖制置使になり、ある日、将士に褒賞を与えた。恩賞が労苦に見合わず、軍は変事を起こそうとした。子の葵は、そのとき十二、三歳で、それに気づき、急いで叫んだ。「これは朝廷から賜ったものです。本司からは別に褒美があります」。軍の心はこの一言で静まった。〔按〕趙葵、字は南仲は、警報を聞くたびに諸将とともに出陣し、敵に出会うと深く攻め入って死力を尽くして戦った。諸将はただ制置使の子を失うことを恐れ、皆が死力を尽くして守り、しばしばこのおかげで勝利を得た。
解説
この章句が説くこと
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