智囊 / 威克・羅點
羅點為浙西倉司,攝平江府。忽有雇主訟其逐僕欠錢者,究問已服,而僕黠狡,反欲污其主,乃自陳嘗與主餽之姬通。既而訪之,非實,於是令僕自供奸狀,因判云:「僕既負主錢,又污主婢,事之有無雖不可知,然自供已明,合從奸罪,宜斷徒配施行。其婢候主人有詞日根究。」聞者莫不快之。
新字:羅点為浙西倉司,摂平江府。忽有雇主訟其逐僕欠銭者,究問已服,而僕黠狡,反欲汚其主,乃自陳嘗与主餽之姫通。既而訪之,非実,於是令僕自供奸状,因判云:「僕既負主銭,又汚主婢,事之有無雖不可知,然自供已明,合従奸罪,宜断徒配施行。其婢候主人有詞日根究。」聞者莫不快之。
書き下し
羅点、浙西倉司と為り、平江府を摂す。忽ち雇主の其の逐僕の銭を欠くを訟うる有り。究問して已に服す。而して僕は黠狡にして、反って其の主を汚さんと欲し、乃ち自ら陳べて嘗て主の餽くる姫と通ぜりと。既にして之を訪ぬれば、実に非ず。是に於いて僕をして自ら奸状を供せしめ、因りて判して云う、「僕は既に主の銭を負い、又た主の婢を汚せり。事の有無は知るべからずと雖も、然れども自供已に明らかなれば、合に奸罪に従い、宜しく徒配を断じて施行すべし。其の婢は主人に詞有る日を候ちて根究せよ」と。聞く者は快しとせざる莫し。
現代語訳
羅点が浙西の倉司となり、平江府の長官を兼ねていたとき、ある雇い主が、追い出した下男が金を払わないと訴えてきた。取り調べると下男はすでに罪を認めた。しかし下男はずる賢く、かえって主人を貶めようとして、自分から「主人が与えてくれた妾と関係を持った」と申し立てた。あとで調べてみると、事実ではなかった。そこで下男に自分で不貞の状況を供述させ、判決を書いた。「下男は主人の金を借りたうえ、主人の婢女を汚した。事実の有無は分からないが、自供が明らかである以上、姦通の罪に従い、徒刑に処して配流とすべきである。その婢女は、主人が訴えを出す日を待って取り調べよ」。聞いた者は皆、胸がすく思いがした。
解説
この章句が説くこと
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