智囊 / 威克・黃蓋・況鍾
況鍾,字伯律,南昌人,始由小吏擢為郎,以三楊特薦為蘇州守。宣廟賜璽書,假便宜。初至郡,提控攜文書上,不問當否,便判「可」。吏藐其無能,益滋弊竇。通判趙忱百方凌侮,公惟「唯唯」。既期月,一旦命左右具香燭,呼禮生來,僚屬以下畢集,公言,有敕未宣,今日可宣之:內有「僚屬不法,徑自拿問」之語,於是諸吏皆驚。禮畢,公升堂,召府中胥,聲言「某日一事,爾欺我,竊賄若干,然乎?某日亦如之,然乎?」群胥駭服,公曰:「吾不耐多煩,命裸之,俾隸有力者四人,舁一胥擲空中。立斃六人,陳屍於市。上下股栗,蘇人革面。〔馮述評〕蓋武人,鍾小吏,而其作用如此。此可以愧口給之文人,矜莊之大吏矣!王晉溪云:
新字:況鍾,字伯律,南昌人,始由小吏擢為郎,以三楊特薦為蘇州守。宣廟賜璽書,仮便宜。初至郡,提控攜文書上,不問当否,便判「可」。吏藐其無能,益滋弊竇。通判趙忱百方凌侮,公惟「唯唯」。既期月,一旦命左右具香燭,呼礼生来,僚属以下畢集,公言,有勅未宣,今日可宣之:内有「僚属不法,径自拿問」之語,於是諸吏皆驚。礼畢,公升堂,召府中胥,声言「某日一事,爾欺我,窃賄若干,然乎?某日亦如之,然乎?」群胥駭服,公曰:「吾不耐多煩,命裸之,俾隸有力者四人,舁一胥擲空中。立斃六人,陳屍於市。上下股栗,蘇人革面。〔馮述評〕蓋武人,鍾小吏,而其作用如此。此可以愧口給之文人,矜荘之大吏矣!王晋渓云:
書き下し
況鍾、字は伯律、南昌の人。始め小吏より擢んでられて郎と為り、三楊の特薦を以て蘇州の守と為る。宣廟は璽書を賜い、便宜を仮す。初めて郡に至るや、提控の文書を携えて上るに、当否を問わず、便ち「可」と判す。吏は其の無能を藐し、益ます弊竇を滋くす。通判の趙忱は百方凌侮するも、公は惟だ「唯唯」とするのみ。既に期月にして、一旦左右に命じて香燭を具え、礼生を呼ばしめ、僚属以下畢く集まる。公言う、「敕有りて未だ宣べず。今日宣ぶべし」と。内に「僚属の不法は、径ちに自ら拿問す」の語有り。是に於いて諸吏は皆な驚く。礼畢わり、公は堂に升り、府中の胥を召し、声して言う、「某日の一事、爾は我を欺き、賄若干を竊めり。然るか。某日も亦た之の如し。然るか」と。群胥は駭服す。公曰く、「吾は多煩に耐えず」と。命じて之を裸にし、隸の力有る者四人をして、一胥を舁ぎて空中に擲たしむ。立ちどころに六人を斃し、屍を市に陳ぬ。上下股栗し、蘇人面を革む。〔馮述評〕蓋は武人、鍾は小吏、而して其の作用此の如し。此れ口給の文人、矜荘の大吏を愧じしむべし。王晋渓云う、
現代語訳
況鍾は字を伯律といい、南昌の人である。はじめ小役人から抜擢されて郎となり、三楊の特別な推薦で蘇州の知府となった。宣宗は璽書を賜い、臨機応変に処置する権限を与えた。初めて郡に着いたとき、下役の者が文書を持って来ても、内容の当否を問わず、すべて「可」と判をついた。役人たちは彼を無能と侮り、ますます不正が横行した。通判の趙忱はあらゆる手で侮辱したが、公はただ「はいはい」と答えるだけだった。ちょうど一か月がたったある日、公は側近に命じて香と蝋燭を用意させ、礼生を呼び、属官以下を全員集めた。公は言った。「勅命があるのにまだ宣べていなかった。今日これを宣べよう」。そこには「属官で不法を働く者は、直ちに自ら捕らえて取り調べよ」という言葉があった。役人たちは皆驚いた。儀礼が終わると、公は堂に上がり、府の胥吏を呼んで声高に言った。「某日の一件で、お前は私を欺き、賄賂をいくら受け取った。そうか。某日もそうだ。そうか」。胥吏たちは震え上がって服した。公は言った。「私は煩わしいことが耐えられない」。命じて裸にし、力のある下男四人に、一人の胥吏を担ぎ上げて空中に放り投げさせた。ただちに六人が死に、屍を市に晒した。上下は震え上がり、蘇州の人々は心を改めた。〔馮夢龍の評〕黄蓋は武人、況鍾は小役人の出身だが、その働きはこの通りだ。これは口先ばかり達者な文人や、威厳ぶった大官を恥じ入らせるに足る。王晋渓は言う、
解説
この章句が説くこと
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