智囊 / 威克・柴克宏
南唐柴克宏有將略。其奉命救常州也,樞密李徵古忌之,給以羸卒數千人,鎧杖俱朽蠹者。將至常州,徵古復以朱匡業代之,使召克宏,宏曰:「吾計日破賊,汝來召吾,必奸人也。」命斬之,使者曰:「李樞密所命。」克宏曰:「即李樞密來,吾亦斬之。」乃蒙船以幕,匿甲士其中,襲破吳越營。〔馮評〕奸臣在內,若受代而還,安知不又以無功為罪案乎?破敵完城,即忌口亦無所施矣!
新字:南唐柴克宏有将略。其奉命救常州也,枢密李徴古忌之,給以羸卒数千人,鎧杖倶朽蠹者。将至常州,徴古復以朱匡業代之,使召克宏,宏曰:「吾計日破賊,汝来召吾,必奸人也。」命斬之,使者曰:「李枢密所命。」克宏曰:「即李枢密来,吾亦斬之。」乃蒙船以幕,匿甲士其中,襲破呉越営。〔馮評〕奸臣在内,若受代而還,安知不又以無功為罪案乎?破敵完城,即忌口亦無所施矣!
書き下し
南唐の柴克宏、将略有り。其の命を奉じて常州を救うや、枢密の李徴古之を忌み、給するに羸卒数千人、鎧杖の倶に朽蠹する者を以てす。将に常州に至らんとするに、徴古は復た朱匡業を以て之に代え、克宏を召さしむ。宏曰く、「吾は日を計りて賊を破らんとす。汝来たりて吾を召すは、必ず奸人なり」と。命じて之を斬る。使者曰く、「李枢密の命ずる所なり」と。克宏曰く、「即い李枢密来たるとも、吾も亦た之を斬らん」と。乃ち船を蒙うに幕を以てし、甲士を其の中に匿し、呉越の営を襲い破る。〔馮評〕奸臣内に在り、若し代わりを受けて還らば、安んぞ知らん、又た無功を以て罪案と為さざるを。敵を破り城を完うせば、即ち忌口も亦た施す所無し。
現代語訳
南唐の柴克宏には将軍としての才略があった。命を受けて常州を救援しに行くとき、枢密使の李徴古は彼を妬んで、弱った兵数千人と、鎧も武器も朽ちて虫に食われたものを与えた。常州に着こうとするとき、李徴古はさらに朱匡業を後任に立てて、柴克宏を呼び戻させた。柴克宏は言った。「私は日数を数えて賊を破るつもりだ。お前が来て私を召すのは、きっと悪人だ」。そして使者を斬るよう命じた。使者は「李枢密の命令です」と言った。柴克宏は「たとえ李枢密本人が来ても、私は斬る」と言った。そこで船を幕で覆い、兵士をその中に隠し、呉越の陣営を襲って破った。〔馮夢龍の評〕奸臣が朝廷の内にいる状況で、もし後任に引き継いで帰ったなら、また功がなかったことを罪状にされないとも限らない。敵を破って城を守り抜けば、妬む口も手の出しようがない。
解説
この章句が説くこと
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