智囊 / 得情・唐朝某御史・張楚金
李靖為岐州刺史,或告其謀反,高祖命一御史案之。御史知其誣罔,請與告事者偕。行數驛,詐稱失去原狀,驚懼異常,鞭撻行典,乃祈求告事者別疏一狀。比驗,與原狀不同,即日還以聞,高祖大驚,告事者伏誅。湖州佐史江琛,取刺史裴光書,割取其字,合成文理,詐為與徐敬業反書,以告。差御史往推之,款云:「書是光書,語非光語。」前後三使並不能決,則天令張楚金劾之,仍如前款。楚金憂懣,仰臥西窗,日光穿透,因取反書向日視之,其書乃是補葺而成,因喚州官俱集,索一甕水,令琛取書投水中,字字解散,琛叩頭伏罪。
新字:李靖為岐州刺史,或告其謀反,高祖命一御史案之。御史知其誣罔,請与告事者偕。行数駅,詐称失去原状,驚懼異常,鞭撻行典,乃祈求告事者別疏一状。比験,与原状不同,即日還以聞,高祖大驚,告事者伏誅。湖州佐史江琛,取刺史裴光書,割取其字,合成文理,詐為与徐敬業反書,以告。差御史往推之,款云:「書是光書,語非光語。」前後三使並不能決,則天令張楚金劾之,仍如前款。楚金憂懣,仰臥西窗,日光穿透,因取反書向日視之,其書乃是補葺而成,因喚州官倶集,索一甕水,令琛取書投水中,字字解散,琛叩頭伏罪。
書き下し
李靖、岐州刺史と為る。或いは其の謀反を告ぐ。高祖、一御史に命じて之を案ぜしむ。御史、其の誣罔なるを知り、告事者と偕に往かんことを請う。行くこと数駅、詐りて原状を失い去ると称し、驚懼すること異常なり。行典を鞭撻し、乃ち告事者に別に一状を疏すことを祈求す。験するに及びて、原状と同じからず。即日還りて以て聞す。高祖大いに驚き、告事者は誅に伏す。湖州の佐史江琛、刺史裴光の書を取り、其の字を割き取り、合わせて文理を成し、詐りて徐敬業との反書と為し、以て告ぐ。御史を差して往きて之を推せしむ。款に云う、「書は是れ光の書、語は光の語に非ず」と。前後三たび使いするも並びに決する能わず。則天、張楚金に命じて之を劾せしむるも、仍お前款の如し。楚金憂懣し、西窓に仰臥するに、日光穿ち透る。因りて反書を取りて日に向かいて之を視るに、其の書は乃ち補葺して成れるなり。因りて州官を喚びて倶に集め、一甕の水を索め、琛をして書を取りて水中に投ぜしむ。字々解散す。琛、叩頭して罪に伏す。
現代語訳
李靖が岐州の刺史であったとき、ある者が彼の謀反を訴え出た。高祖は一人の御史に命じて調べさせた。御史は誣告だと見抜き、告発者と一緒に行きたいと願い出た。数駅進んだところで、わざと元の訴状をなくしたと偽り、ひどくうろたえて見せた。下役を鞭打ち、告発者に別の訴状を書いてくれるよう頼み込んだ。照合してみると、元の訴状とは違っていた。その日のうちに戻って報告すると、高祖は大いに驚き、告発者は処刑された。また湖州の佐史の江琛は、刺史の裴光の書簡から文字を切り取り、つなぎ合わせて文にして、徐敬業と通じた謀反の書をでっち上げて告発した。御史が派遣されて調べたが、供述は「書は確かに裴光の書で、言葉は裴光の言葉ではない」というものだった。前後三度使者を出しても決着がつかない。則天武后は張楚金に取り調べを命じたが、やはり前の供述どおりだった。楚金は憂え悩み、西の窓辺で仰向けに寝ていると、日光が紙を透かした。そこで謀反の書を日にかざして見ると、貼り合わせて作ったものだった。州の役人を集め、一つの甕に水を用意させ、江琛に書を水の中へ投げ込ませると、文字はばらばらに離れた。江琛は額を地につけて罪を認めた。
解説
この章句が説くこと
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