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智囊 / 得情・黃霸・李崇

李崇令二父與兒分禁三處,故久不問,忽一日,密遣人分告二父曰:「君兒昨不幸遇疾暴死。苟泰聞即號啕,悲不自勝,奉伯咨嗟而已。崇察知之,乃以兒還泰,詰奉伯詐狀,奉伯款引云:「先亡一子,姑妄認之。」

新字:李崇令二父与児分禁三処,故久不問,忽一日,密遣人分告二父曰:「君児昨不幸遇疾暴死。苟泰聞即号啕,悲不自勝,奉伯咨嗟而已。崇察知之,乃以児還泰,詰奉伯詐状,奉伯款引云:「先亡一子,姑妄認之。」

書き下し

李崇、二父と児とを三処に分禁し、故らに久しく問わず。忽ち一日、密かに人を遣わして二父に分告して曰く、「君の児、昨、不幸にして疾に遇いて暴かに死せり」と。苟泰聞けば即ち号啕し、悲しみ自ら勝えず。奉伯は咨嗟するのみ。崇察して之を知り、乃ち児を以て泰に還し、奉伯の詐れる状を詰す。奉伯款引して云う、「先に一子を亡い、姑く妄りに之を認めたり」と。

現代語訳

李崇は、二人の父親と子どもを三か所に分けて閉じこめ、わざと長いあいだ何も問わなかった。ある日突然、ひそかに人を遣わして二人の父親それぞれに告げさせた。「あなたの子は、昨日、不幸にも急病で突然亡くなった」。苟泰はそれを聞くとすぐ大声で泣き叫び、悲しみに耐えられなかった。奉伯はため息をつくだけだった。李崇はそれを見て真相を察し、子を苟泰に返し、奉伯の偽りを問いただした。奉伯は罪を認めて言った。「以前に一人の子を亡くしたので、仮に適当に認めてみたのです」。

解説

李崇は、すぐに問い詰めず、まず三か所に分けて時間を置き、そのうえで偽りの死亡の知らせを両者に届けました。悲しみ方の違いが、親としての実感の有無を何より雄弁に示しました。人は予期しない知らせを受けた直前の反応こそ、取りつくろえません。管理職が部下の主張の真偽を見極めたいときも、論点を絞って詰めるより、条件を整えてから自然な反応を観察するほうが手がかりを得られます。ただし、この種の仕掛けは相手を傷つけかねないので、使うのは重大な真偽の確認に限るべきでしょう。

この章句が説くこと

二父分禁号啕咨嗟反応の観察見極め

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